「羨ましくて、苦々しい」躍動する日本男女バレーとの間で“拡大する格差”に韓国メディアが独自見解!「日本をロールモデルに」との声も【ネーションズリーグ】

現地6月27日、ポーランドで行なわれた男子バレーボール「ネーションズリーグ(VNL)」準々決勝で日本男子代表はカナダと対戦し、3-0(26-24、25-18、26-24)のストレート勝ちを収めた。1次ラウンドで苦杯を舐めた難敵にきっちりリベンジを果たし、堂々ベスト4に駒を進めている。

一方で日本女子代表は今季のVNLを準優勝で終えた。準々決勝で中国を3-0で下すと、準決勝では世界ランキング1位のブラジルを相手に大接戦を演じ、3-2で競り勝った。決勝は善戦及ばずイタリアに1-3で敗れ去ったものの、VNLで初の決勝進出を果たして銀メダルを獲得。1か月後のパリ五輪本番に向けて確かな自信と手応えを掴んだ。

そんな日本男女バレーの躍進に熱い視線を送るのが韓国だ。決勝直後には元韓国女子代表のレジェンドであるハン・ユミさんがSNSを更新。「VNLで初めてメダル獲得をした日本を見て、祝福と同時に“羨ましい”とも思った。日本バレーは男女ともに五輪に出場し、VNLで良い成績を収めている反面、韓国バレーは国際大会で頭角を現すことが難しくなっている」と綴って話題を集めた。

全国紙『スポーツソウル』日本語版も「日本は『ライバル』ではなく『お手本』? 凋落する韓国バレー界が“羨望の眼差し”を向けるワケ」と題した特集記事を掲載。「日本は今年のVNLで、男女ともに“世界レベル”に達したことをあらためて証明した」と記し、次のように論じている。

「日本は男女ともにフィジカル面で欧州や南米、北中米の選手に比べて劣る。韓国と似たような弱点を抱えていると言っても良い。メンバーにはハーフの選手もいるが、女子の古賀紗理那や井上愛里沙、男子の石川祐希や西田有志などの主力を見ても、韓国の選手と比べて身体条件で大きな差があるわけではない。それでも、日本は優れた基本技術と組織的な守備、凡ミスの少ないバレーを通じて世界の舞台を勝ち抜いている。たとえ身体条件で劣るとしても、別の要素を通じて弱点を挽回してきたというわけだ」
さらに同紙は「いまや韓国バレーは世界の舞台にも出られないほど弱体化した」と記述。女子代表は今回のVNLで日本にストレートで敗れるなど2勝10敗で16チーム中15位に終わり、男子代表はVNLに参戦さえしておらず、同じタイミングで開催された来季VNLへのアジア予選で3位に甘んじた。同紙は「なにより韓国は男女バレーともにパリ五輪に出場しない。一方、日本はVNL出場が基本であり、パリ五輪にも出場する。男女ともに目標はメダル獲得だ。これだけ見ても“日韓の格差”はますます広がっていると言える」と力を込めた。

そのうえで、韓国バレー関係者のコメントを引用。その人物は「羨ましくもあり、苦々しくもある。日本のバレーボールはどんどん世界の中心に向かっていく。逆に我々は後退しているので、その差はさらに広がっている。追いつくことが難しいチームになっている」と話して、溜め息をついたという。

かたや、「国内では韓国バレー復活のために日本をロールモデルに掲げ、多くの努力をしなければならないという声が一部から出ている」とも報じ、「身体条件で韓国と大きく変わらない日本が世界で結果を残しているだけに、韓国も弱点を克服できれば、いつかは日本のように世界で戦う力を得られるという考えだ」との意見を紹介。別の指導者は「日本の選手たちはフィジカルでバレーボールをしているわけではない。我々も十分に補うことができれば、同じようについていけるはずだ」と私見を寄せている。

そして最後に『スポーツソウル』日本語版は「最新の世界ランキングで、女子は日本が7位、韓国が36位で、男子は日本が2位、韓国が27位だ」との一文を書き添えている。

構成●THE DIGEST編集部

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