阿部巨人「71試合で64通り」猫の目打線まったく裏目…得点力不足は一向に解消されず

岡本和真(C)共同通信社

71試合で64通りーー。

これ、阿部巨人のスタメンオーダーである。

開幕1、2戦目は1番佐々木、2番門脇ときて、梶谷、岡本、坂本、大城、丸、吉川の並び。3戦目は左の梶谷に代わって右の長野が入ったが、3番以外は固定した。

しかし、2カード目の中日との初戦は1番に萩尾、3番に2年目の浅野を抜擢。以降はほぼ日替わり打線となり、1番から8番を固定したのは最長で3試合にとどまる(5月10~12日)。サヨナラ負けを喫した昨27日のDeNA戦も1番丸、2番吉川らの新オーダーだった。

昨季、パはオリックスの中嶋監督が全143試合で135通りの「猫の目打線」でリーグ3連覇を達成した一方、セは阪神が打順を固定してリーグ優勝を果たした。今季の巨人はここまで貧打に喘いでおり、日替わり打線が機能しているとは言い難い。

評論家の飯田哲也氏が、「阿部監督も日々、悩んで打順を組んでいると思いますが…」とした上で、こう続ける。

「巨人の場合は打順を固定したほうが得点の効率が上がり、個々の打者の役割が明確になると思います。このところ1番を打つ丸は打率3割前後をマークし、出塁率も高いが、走塁が心許ないため、出塁しても各駅停車になりがち。1、2番は足が使える選手を置いた方がいいと思う。1番は昨季同様、足のある吉川、2番は開幕時のように門脇を我慢強く使うのも手です。塁に出る人、繋ぐ人、返す人、と役割が明確になれば、チームもまとまりやすい」

打線は固定するのが王道で、打者の調子が上がらない、レギュラーがいない、という消極的な理由で打順をコロコロ変えている近年の巨人は、打線が低調だ。シーズンは間もなく折り返しを迎える。得点力不足が解消されないのなら、ドッシリ構えてみてはどうか。

◇ ◇ ◇

巨人の打線の低迷ぶりの原因について、「選手が委縮しているというか、ファーストストライクから積極的に打ちにいけない雰囲気がある」とは球団OB。いったい誰がその雰囲気を醸成しているのか。

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