馬牧場にライフル銃の弾痕、ネット騒然 ハンターの誤射? 通報を迷った牧場主の複雑心境

競走馬の厩舎で衝撃の事態が発生した(写真はイメージ)【写真:写真AC】

明治45年創業の伝統を持つ北海道の馬牧場

競走馬牧場の厩舎で見つかったのは、ライフル銃の弾痕……。衝撃の光景が広がった。ハンターによる誤射の見方が出ており、人と馬への被害はなかったという。SNSを通して「ハンターさんは萎縮しないで」とメッセージを発信した牧場主に、改めて心境を聞いた。

「マジですか~ イーストスタッドの厩舎裏扉にライフルの弾が着弾 早速警察に通報」

北海道浦河町の谷川牧場(@tanikawastud)の牧場主は、6月12日にXを通して事案について報告した。谷川牧場は明治45年に創業し、軍馬の生産から始まった、由緒ある競走馬の生産拠点。「イーストスタッド」は、約115の牧場が出資して作った種馬の牧場だという。

現場の様子は、白い壁に弾がのめり込んでおり、一撃の強さを物語っている。同日朝、イーストスタッドの職員がルーティン作業で裏戸を開けていた時に発見したとのことだ。

タイミングや状況によっては、悲惨な事故につながった危険がある。一方で、牧場主は「最近、本当に鹿が増えて被害大です。この件でハンターさんには萎縮しないで駆除してほしいです」と書き込んだ。現地の複雑な鳥獣被害の実情が垣間見える。

現場の実際の様子【写真:谷川牧場(@tanikawastud)提供】

「人馬に被害が出なくてなによりでしたね」

反響は大きく、「うお怖っ…」「間一髪」「人馬に被害が出なくてなによりでしたね」と、驚がくの反応が。「かなり距離があった流れ弾でしょうけど、これはヤバイです」「入射角的に跳弾っぽい気がするなぁ…」と原因を分析するコメントも。

また、「鹿もですが、北海道はヒグマの被害増えてますし、猟師さんは萎縮しないで退治して欲しいです」「最近は熊や鹿の被害が多くなっていて本当に大変ですね」「ハンターさんも牧場の皆さんも、今後もどうか安全第一でお仕事して頂きたいものです」といった、駆除の大変さをおもんぱかる声も上がっている。

ハンター側の事情も考慮したうえで、牧場主は事後対応に悩んだことを明かした。「警察に通報するかしないか迷いましたが、再び同じ場所、角度、方向に発砲されて事故でも起きたら大ごとなので通報しました」。

そのうえで、「萎縮しないで駆除してくださいの文言に反応した人がいらっしゃいましたが、再発を避けたいという理由から通報したわけなので、理解していただければと思っています」と話している。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム

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