熊本県内のバスや私鉄の全国交通系ICカードの廃止を熊本市議会が条件付きで可決「熊本市電は慎重かつ丁寧な検討を」

熊本県内のバスなどにおける全国交通系ICカードの廃止について、熊本市議会が条件付きで認める方針を示した。

全国交通系ICカードからクレカ決済へ

熊本市議会予算決算委員会で議会側から6月25日も苦言が呈されたのは、大西一史熊本市長が提案している一般会計補正予算案だ。

この中には県内のバス各社と熊本電鉄電車に対する、キャッシュレス決済新システム導入費用の助成、約1億1200万円が含まれている。この予算案が認められれば県内のバスと熊本電鉄電車では2024年12月中旬以降、全国交通系ICカードが利用できなくなり、クレジットカード決済などへと変更される。

6月25日の質疑で、大西熊本市長は改めて新たな決済手段への理解を求めた。

大西一史熊本市長:
(クレジットカード)タッチ決済の普及状況としては、30都道府県110以上の事業者で利用可能と聞いている

上野美恵子委員(共産):
民間と公営合わせれば全国には2000社を超える乗り合いバス事業者がある。クレジット決済は緒に就いたばかりで、今後広がる手法だ

条件付きの廃止可決に意向調査へ

小佐井賀瑞宜委員(自民):
同様の問題を抱える全国の自治体とも連携し、補助制度の対象とするよう引き続き国に要望を行うこと

議会側は採決を前に、附帯決議を提出し、決議の中には「2026年4月から同様のシステムを導入予定の熊本市電については、慎重かつ丁寧な検討を行うこと」とする項目も盛り込まれ、その上で行われた採決の結果、予算案は可決された。

委員会後に取材に応じた大西熊本市長は「(市電について)全国交通系ICカードが使えないということについては「もう一度検討を」と今回たくさんの意見をいただいたので、それを踏まえ最終的に決めていく」と述べた。

大西熊本市長は附帯決議を受け、改めて市民や利用者の意向を把握するためのアンケート実施の考えも示した。

(テレビ熊本)

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