避難所の鍵は「町職員マイナカード」 立山町

能登半島地震では住民が学校などに避難しようとしたところ、鍵がかかったままだったため、扉ガラスを割って建物内に入った事案が相次ぎました。鍵の保管方法などが課題となった中、立山町は、職員のマイナンバーカードで避難所の鍵を開けられる仕組みを28日から運用します。

立山町の立山中央小学校です。災害時には体育館が避難所として使われます。体育館の鍵は普段、学校と避難所担当の職員数人が所持していますが、町は、災害時により迅速に避難所を開設できるよう新たな仕組みを導入しました。

助田紫乃亜記者

「体育館の入り口に設置されたカードリーダーに、役場の職員がマイナンバーカードをかざすと…このように鍵を開けて中に入ることができます」

沿岸部にある富山市の小学校です。能登半島地震が発生した元日、津波警報が出たことから200人余りが避難してきました。しかし、学校には鍵がかかっていたため、住民が許可を受けたうえで窓ガラスを割って中に入りました。こうしたケースはほかの避難所でも相次ぎました。

課題となった鍵の保管方法や災害時に速やかに鍵を開ける仕組み。

立山町は、2024年10月から町内の体育館の利用予約をした人に、マイナンバーカードで鍵を開けてもらうサービスを始めることに合わせ、町職員のカードを町内すべての小中学校の体育館のマスターキーとして登録しました。

運用は28日からで、災害時に避難所担当の職員がすぐ駆け付けられない場合は、総務課の指示で近くにいる職員がマイナンバーカードを使い避難所を開けます。

立山町 舟橋町長

「そのときに駆け付けられる職員だったら開けられるというのは、心強いなと思っています。なおかつマイナンバーですから、どの職員が何時何分にここを開けたかというのも分かる。そういう意味では安心感があるかなと思っています」

町では1年前に豪雨による災害が発生していることから、引き続き備えを進めるとしています。

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