殺人容疑で逮捕の長女、事件1カ月後に2社の代表に 那須・夫婦遺体遺棄

事件の構図

 栃木県那須町伊王野の河川敷で4月中旬に夫婦の焼損遺体が見つかった事件で、殺人容疑で逮捕された夫婦の長女で東京都世田谷区、会社役員の女(31)が事件の約1カ月後に、被害者が経営する二つの会社の代表取締役に就いていたことが28日、分かった。長女と内縁関係にあり、主導役とみられる同所、会社役員の男(32)は経営方針を巡って被害者夫婦と確執があったとされ、県警と警視庁の合同捜査本部は詳しい動機や経緯を調べている。

 長女は、主導役ら殺人容疑で再逮捕された男6人と共謀し、同千代田区、会社役員の父=当時(55)=と会社役員の母=同(56)=を殺害した疑いが持たれている。

 捜査関係者によると、長女は、指示役、仲介役、実行役とされる男4人とは面識がなかったとみられることも分かった。4人は報酬を約束され、被害者夫婦を殺害し、遺体を処理したとみられる。

 父は二つの会社の代表取締役を務め、東京・上野で十数軒の飲食店を経営していた。長女は2社の役員を務め、主導役の男はマネジャーとして数店の経営を任されていたという。

 法人登記簿によると、長女は今年1月、2社の役員を辞任した。一方で事件から約1カ月後の5月15日には、父に代わって2社の代表取締役に就いていた。

 店舗数を拡大しようとしていた被害者夫婦に対し、主導役の男は1店舗当たりのサービスや利益の向上を重視していたとされる。捜査本部は、経営方針を巡る不満やトラブルから夫婦の殺害を計画した可能性があるとみて調べている。

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