楽天のエース候補・古謝樹投手 部屋に飾るのは初勝利で則本投手からもらった段ボール紙?「楽天に入ってよかった」と思ったこと【ヒーローインタビュー】

今回のヒーローは、楽天イーグルス、古謝樹投手。去年のドラフトでイーグルスから1位指名。最速153キロの速球が武器の本格左腕は、未来のエース候補としてファンから期待を寄せられています。プロの世界に飛び込み半年、ここまで感じた戸惑い、喜び、そして将来のビジョンを語ってくれました。

早かったプロ初登板

場内アナウンス: 「プロ初登板、背番号17、古謝樹!」

記念すべきプロ初登板は、開幕からおよそ2ヶ月後の5月25日、本拠地に詰めかけたファンの声援に送られマウンドに登りました。

番組ディレクター: 「プロ初登板は想定より早かったのか、遅かったのか?」 楽天 古謝樹投手: 「だいぶ早かったと思います。オープン戦から1軍で帯同させてもらって、それで2軍、ファームに降格になった時に、体力面や技術面がもう少しと言われ、その課題をつぶしていた途中だった。いつでも行ける準備はしていたが、まさかこんなに早い時期に投げると思っていませんでした」

2軍で月間MVP賞をとり、いざ1軍のマウンドへ。持ち前のキレのいい速球を軸に初回から三者凡退に抑えると、3回には2者連続三振を奪うなど、ポテンシャルの高さを見せつけます。

その日の試合実況 : 「2者連続三振!なんと打者一巡9人、パーフェクトに抑えてみせた古謝樹です」

古謝投手のファンサービスは?

その後、2点を許しましたが6回2失点という先発としての役割を十分に果たし、満員のファンを喜ばせました。

楽天 古謝樹投手 : 「試合中は自分の世界に入ってしまうので、あまり声は聞こえないけれど、試合前のキャッチボールの時などにファンの方々が声を掛けてくれるので、とても投げやすい球場で、いい後押しをもらったと思います」

番組ディレクター: 「ファンサービスについてはどう考えますか?」 楽天 古謝樹投手 : 「人と関わるの苦手なので、ファンサービスをあまり自分からできないけれど、自分のタオルを持ってくれてたりとか声かけられた時は、なるべく全員の方に対応するよう心がけています」

小郷選手の満塁ホームラン、その時古謝投手は…

プロ2度目の先発は立ち上がりに苦しみます。初回、146キロのストレートを右中間席に運ばれるなど、この回2点を失います。

しかし、その直後、味方打線が援護し同点に追いつくと、自らもバントを成功させ、相手のミスを誘い出塁。
そして、小郷選手が勝ち越しの満塁ホームラン!さぞ興奮したかと思いきや…。

楽天 古謝樹投手 : 「いや、そうですね。“入った〜”くらい…。まず塁に出た事を驚いていたので、自分がアウトにならないことだけ考えていました。歓声が出るまで、ボ〜っとしてました」

ディレクター: 「興奮はしました?」 楽天 古謝樹投手 : 「いや、なにも。“無”でした」

なにはともあれ、その後はリードを守り、6回2失点の好投。待望のプロ初勝利を手にしました。

プロ初勝利で感じたこと

初勝利のお立ち台で、古謝投手が勝利の瞬間の思いをこのように語っていました。

インタビュアー : 「勝利の瞬間は、どういう思いでしたか?」 楽天 古謝樹投手 : 「野球人生で1番嬉しい瞬間でした」

あらためて、初勝利についての思いを聞きました。

楽天 古謝樹投手 : 「プロへの1歩はプロ初勝利と思っていたので、それを達成できて、キャンプから続けてきた努力が報われた瞬間でした。勝つというのは本当にうれしいので、それを続けていければ良いと思っています」

試合後に出迎えたのは投手キャプテンの則本投手。「おめでとう!」祝福のコメントを贈ってくれました。

則本投手からプレゼント!

楽天 則本昂大投手: 「僕も初勝利は2戦目だった。バントもしっかり決めてすごいなと思います。今日は6回まで投げたので、次は7回ですね。それで、8回も投げて(僕に)直繋ぎしてもらえるように頑張ります、僕も。で、完投、やろう!」

キャプテンからは祝福の言葉だけではなく、素敵なプレゼントもあったそうです。

楽天 古謝樹投手 : 「(初勝利前の)甲子園くらいの時に『初勝利したら何が欲しい?』と言われ悩んでいたが、則本さんが『スーツケースが良いんじゃない』と勧められた。その後、中日戦で初勝利できたので、昨日、段ボールで自分のロッカーに置いてあった。 段ボールに“1st WIN”と則本投手の直筆で書いてあったので、切り取って、寮の部屋に飾っています、今」

2013年の日本一、田中将大投手の大活躍は、強烈な印象として記憶に残っているそうです。

「楽天イーグルスに入ってよかった」

ディレクター: 「2013年のときは、小学生でした?」 楽天 古謝樹投手 : 「小学校6年生だった。(日本シリーズを)見ていました。ジャイアンツ側で…(笑)

だったんですけど、田中さんの投球はすごかったというのは印象にあるので、そういう方と今、野球をやれるってことは本当に光栄なことです。ご飯に連れて行ってもらったんですけど、その時にいろいろ話を聞かせてもらって、田中さんのような大投手になれるように頑張りたいなと改めて思いました。1年前までテレビで見ていた選手とプレーをするので、もちろん緊張もありますけど、野球が終われば気さくに声をかけてもらえて、楽天イーグルスに入ってよかった」

プロの階段を1歩ずつ上がっていく古謝投手。夢を実現するため、大切にしていることとは?

楽天 古謝樹投手 : 「大切にしていることは、物事全てを楽しむこと。嫌なことも楽しむ方に転換して、全てポジティブに変えています。寮の中でスリッパを自分で並べたり、それでプロ初勝利とかに繋がるんであれば、地道に人がやらなそうなことをやることを心がけてます。今でもやっています。

古謝投手の身近な目標は…。

楽天 古謝樹投手 : 身近な目標は10勝。(これまでチームに)10勝してる左ピッチャーがいないということで、シーズン10勝を目標に投げているんですけど。早川隆久投手や藤井聖投手などすごい先輩を目の前にしているので、いつかは自分も10勝したいという思いはあります」

では、古謝投手の大きな目標は…。

楽天 古謝樹投手 : 「大きな目標は息の長い選手になりたい、と思っている。田中投手とか いろいろな選手を見て、プロ野球は厳しいところですけど、楽しいところでもあるというのは感じているので、自分がもっと大人になった時にまだ現役を続けられるような選手にはなりたいと思ってます」 ディレクター: 「大人というのは?」 楽天 古謝樹投手 : 「オジサンぐらいまでやりたい。40歳超えてもっと長くやりたいです」

【tbcテレビ ヒーローインタビューより】

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