パリ五輪開幕まで1カ月 栃木県内でも商戦、応援準備進む Tシャツ、テレビ・・・関係者盛り上がり期待

パリ五輪の開幕に向け、公式グッズの販売が始まった県内のスポーツ店=26日午後、宇都宮市細谷町

 7月26日のパリ五輪開会式まで1カ月を切り、栃木県内でも関連商戦や県勢の応援に向けた準備が始まっている。スポーツ用品店は公式応援Tシャツを売り出し、家電量販店はテレビの販売促進を強化している。今大会で初採用されたブレイキン(ブレイクダンス)の関係者は「競技の魅力が伝わってほしい」と熱視線を送る。出場選手の出身市町は、一般市民が観戦できるパブリックビューイング(PV)や横断幕の準備を進めている。

 開幕まで1カ月となった26日、宇都宮市細谷町のスポーツ用品店「スーパースポーツゼビオ宇都宮細谷店」の売り場に、日本選手団の公式応援Tシャツとタオルがお目見えした。足を止める客は少ないが、同店の阿久津卓也(あくつたくや)マネジャー(39)は「まだまだこれから。開幕し、日本勢が活躍すれば盛り上がると思う」とみる。今後は種目ごとに特設コーナーの設置を検討するといい、「売り場から日本代表の活躍を盛り上げたい」と語った。

 「自宅でその瞬間を」。家電量販店のコジマ(宇都宮市)は、テレビ売り場にポップを飾り、販促に力を入れる。五輪需要も追い風となっており、小型の発光ダイオード(LED)を高密度に敷き詰めた「ミニLED」の液晶テレビの売り上げが好調という。

 実施競技に加わったブレイキン。県内各地でインストラクターを務める宇都宮市鶴田町、佐藤祐明(さとうひろあき)さん(34)によると、初採用の影響で本県でも始める人が増えている。「子どもたちが代表選手を認知するなど、自分の練習だけでなく外にも目を向けるようになっている」と変化を感じる。

 構成の緻密さなど頭脳プレーが日本勢の見どころと説明する。「選手たちの活躍に憧れて練習に励んでほしい」と期待した。

 地元からパリへ声援を送ろうと、競泳・水沼尚輝(みずぬまなおき)選手の出身地の真岡市は8月、「応援する会」と共催で予選のPVを予定している。日光市は7月上旬、ホッケー女子の狐塚美樹(こづかみき)ら3選手の名を記した懸垂幕を市庁舎に掲示する。複数の出身・在住選手の出場が決定している宇都宮市も、横断幕を掲げるかどうか検討している。

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