【全力推し活日記17】TM NETWORK 40周年ツアーを全力でやり切ったよ!

【全力推し活日記17】1994年4月21日。デビュー10年目の記念すべき日に、突然発表されたTM NETWORKの「活動終了」宣言と東京ドームのラストライブの日程。青天の霹靂とはまさにこのことで、TM NETWORKのファンだった私は、当時この事実をなかなか受け入れることができず、とりあえず学校に行くもののしばらくはやる気のない日々を過ごしていました。※「TM NETWORK」とは、小室哲哉さん、宇都宮隆さん、木根尚登さんの3人組音楽ユニットです。

デビューから終了宣言までの歴代ツアーパンフレット。ラストライブのパンフレット(中央・赤色)は悲しすぎて今でも読めません。(筆者撮影)

ラストライブからちょうど30年

それでもやはり最後のライブはこの目で絶対に見ないと!と必死で取ったチケットを握りしめ、どん底の気分のまま東京ドームのラストライブに参戦したのは、ちょうど30年前の1994年5月18日、19日のことです。

ラストライブで覚えていることと言えば、小室さんのファンなのに、あのメガネをかけたインテリなビジュアルに冷たさを感じてしまい、宇都宮さんと木根さんばかり見ていたことと、大泣きしながら歌うもんだから、隣で一緒に泣いている友人から「うるさい!」と怒られたこと。この二つだけ。よくもまあこんなに泣けるもんだねと自分で関心するほど終始号泣していた気がします。

TM NETWORKにもう会えなくなるなんて…本当に本当に悲しかった。

それから月日は流れ、5年後には無事復活を遂げ、今年40周年を迎えることができました。

と言っても3人ともソロ活動をしながらの「TM NETWORK」なので、以前と比べ活動密度は低いものの、デビュー40周年(2024年4月21日)に向けた40公演ツアーは、とても精力的でFANKS(=TM NETWORKのファンの通称)にとっては、あの号泣した日から、こんな素晴らしい未来が待っていようとは、全く想像もできない最高の時間でした。

40周年・40公演ツアーは、大きく四つのツアーで構成されており、約22カ月かけて16都道府県で行われました。

・FANKS intelligence Days 22年7月29日~9月4日(5会場全9公演)

・FANKS intelligence Days ~DEVOTION~ 23年9月7日~11月3日(12会場全16公演)

・FANKS intelligence Days ~STAND 3 FINAL~ 24年1月18日~3月8日(7会場全9公演)

・FANKS intelligence Days ~YONMARU~ 24年4月20日~5月19日(3会場全6公演)

あの号泣したラストライブからちょうど30年後の同月同日の24年5月18日、19日。私は40周年・40公演ツアーの最終公演が行われるKアリーナにいました。

さあファイナル公演です! 30年前とは正反対の足取りで、心弾ませながら会場に向かいます。気分は、Come on FANKS the FESTIVAL!Jumpin' about shout it around.まさしくこんな感じ。

早々に会場に入り、トイレもすませ、”精一杯、楽しむ”ことだけを考えながら開演時間を待ちます。

私の気持ちと同じ。とても天気がいいKアリーナ。(筆者撮影)

YONMARU(40周年でよん-まる)ツアーのセットリスト

少し長くなりますが、YONMARUツアー初日となる35公演目の東京ガーデンシアターの時の感想を添えて、このYONMARUツアーのセットリストを紹介します。

会場が暗転、高鳴る鼓動。1曲目はなんと「Self Control」。突然まばゆい照明!そしてその瞬間にはもう3人がステージに立っています。

ここ近年のライブは、インストゥルメタル(以下、インスト)の曲から始まり2曲目から本人達が登場することが多かったのでいきなりの登場に、え?え?もう?うわー!何その衣装!小室さん王子様やん!かっこいい!そして最初からノリノリな曲に両手を振り上げテンション爆上がりです。

2曲目は「Maria Club」。おお!懐かしい!間奏で「フッ、フッー」とFANKSが歌うのですが、これが超楽しい!TM NETWORKの曲はコール&レスポンスが少ないので、こうやって声出しができる曲は観客のテンションがそろい自然に生まれる一体感がたまりません。

3曲目は、デビューのきっかけでもある、アマチュア時代の音楽コンテストで優勝した曲「1974」。このタイトルのおかげで、1974年生まれのFANKSは年齢を聞かれると、自慢気に「1974です」と答えます。もちろん私も「1974です」。

とてもポップなアレンジに仕上がっていて、自然と手拍子に包まれる会場。30年前のTM のライブで手拍子なんてありえなかったよなぁと思うとその空気感に終始ニヤけていました。

4曲目は、小室さんと木根さんによる「Carry on the memories」。DEVOTIONツアーではFANKSへの思い、STAND 3 FINALツアーではスタッフへの思い、YONMARUツアーでは自分達の思いを歌ったツインボーカル曲。

スクリーンに映しだされるオフショットの3人の映像に、”僕らが歌えば君がほほえむ、きっと初めて描く夢はそのくらいだった”、”あとどのくらいかな?あの場所この場所で、音を奏でて君を笑顔にできるのは”の歌詞に、FANKSとして過ごしてきた36年のいろいろな想いが次々に蘇り、ボロ泣きでした。

5曲目は、しっとりと宇都宮さんが歌いあげるバラ―ド「Confession」。

6~12曲目は、CAROL組曲と呼ばれる30分オーバーの長編楽曲。30周年のときにも同じ構成で演奏しているので、「またか」や「貴重なライブの2時間だから、CAROL以外も聞きたい」などの感想もあるかと思いますが、このYONMARUツアーが初めてのTMのライブという人も一定数はいると思うので、やはりミリオンを達成したアルバム「CAROL」の世界観は40周年も外せないですよね。

今回のCAROL組曲の見どころは、木根さんのキーボード。キーボードというとどうしても小室さんが注目されますが、木根さんの鍵盤も、めっちゃかっこいいんです!←声を大にして言いたい! あとはAIで創り出された宇都宮さんが歌うシーン。最新の技術を駆使した演出はさすがTM NETWORKです。

13曲目は、インストで「Coexistance」。このツアーの前に小室さんが言っていたキーワード「共存」という曲です。ライブやCDアルバムには小室さんのインスト曲が収録されているのですが、いつもインストが、最高にかっこいいのです。

メロディラインだけじゃなく小室さんがシンセで創りあげた音が、私の気持ちをあおってくるようで、震えを感じるほどのかっこ良さです。

そして14曲目は、最新曲の「Whatever Comes」。サビにフリのあるアップテンポな曲でここから始まるだろう後半の盛り上がりを期待させます。

15曲目は「RAINBOW RAINBOW」。曲のタイトル通り7色で照らされるステージ照明はもう一つのアート作品!まさにこの曲の世界観そのもので圧巻の一言。いやむしろ一言でなんて伝えきれないほどに目も心も奪われてしまいます。 16曲目はTK Soloからの「Get Wild Continua」。「Get Wild」に会場のボルテージはもはや条件反射で(笑)、最高潮! なのですが、え?もう「Get Wild」、ちょっと早くない?これでラストじゃないよねと、いつも終盤に演奏される代表曲がこのタイミング?と、一瞬だけセットリストの構成が不安になりました。

しかし、”何にも、怖く~わ~な~い”の歌詞で、みんなが一斉に右手の人差し指を立てながら下から上に徐々に上げていくフリに、会場の一体感を堪能しつつ「うちの推し、人気あるなぁ」と俯瞰しつつ、かと思えばサビでは体力のかぎりジャンプをしまくって、がっつり汗びっちょです。

17曲目は「ACCIDENT」。一つ前のSTAND 3 FINAL ツアーで最高のアレンジだったこの曲をこのツアーでも持ってくるのかー。うん、そうだよね。STAND 3 FINALはホールツアー。YONMARUはアリーナツアー。より多くの人に39年前の曲が、2024年の音でこんなにかっこよくなったよって、見せつけたいよね。

18曲目は、同じくSTAND 3 FINAL ツアーでも披露した「ELECTRIC PROPHET」。え?このタイミングでこの曲?

「ELECTRIC PROPHET」はTM NETWORKにとって重要な楽曲だけど、このタイミングで大人しめのこの曲を演奏するとは!あれ?これが最後のツアーですよ。フェスティバルですよ。祭りですよ。盛り上がる曲、いっぱいありますよね。ね。で、ここからラストに向けて次はどの曲をもってくるんだろ?と考えをめぐらせている間に、ステージを去る3人。えーーーー終わっちゃう!

そして、そのまま19曲目のインスト曲「intelligence Days」とともにスタッフロールが流れて終了。

と、ここまでが、YONMARUツアー前半(35~38公演)のセットリスト。公式から特にアナウンスはなかったものの、勝手にYONMARUツアーはお祭りで、ノリノリ曲のオンパレードでイエーイ!を想像していただけに、少し物足りなさを感じてしまいました。

ゲストの登場!同じ公演で2回も聴けるとは

後半(39、40公演)のKアリーナもここまでは全く同じセットリスト。え?マジで?本当にこれで終わっちゃうの?と思ったら、なんとここでゲストが登場。そのゲストとはB'zの松本孝弘さん!松本さんは1985年~89年まで、TM NETWORKのツアーのサポートメンバーとして活躍されていたので、違和感はないのですが、まさか松本さんが登場するとは!

どよめきと一緒に「まっちゃーーん!」という大きな歓声が会場中に響き渡ります。39公演目では「Be Together」を、そして40公演目ではさらに一曲加わり「Get Wild」も共演してくれました。同じ公演で「Get Wild」が2回も聴けるなんてとてもレアです。

TM NETWORKではありえないアンコールがあったこと、松本さんがゲストにきたこと、待望のノリノリ曲が演奏されたことで、歓喜に沸き立った最終公演でした。

このアンコールの2曲が、40周年ツアーに対して私が求めていた”お祭り感”そのものだったので、とても満足かつ幸せな気分で会場を後にしました。

<FANKS intelligence Days ~YONMARU~ 6公演のセットリスト>

35公演 - 4月20日(土) 東京ガーデンシアター

36公演 - 4月21日(日) 東京ガーデンシアター

37公演 - 4月26日(金) 大阪城ホール

38公演 - 4月27日(土) 大阪城ホール

39公演 - 5月18日(土) Kアリーナ 横浜

40公演 - 5月19日(日) Kアリーナ 横浜

・01 Self Control

・02 Maria Club

・03 1974

・04 Carry on the memories

・05 Confession~告白~

・06 A Day In The Girl’s Life(永遠の一瞬)

・07 Carol(Carol’s Theme I)

・08 Chase In Labyrinth(闇のラビリンス)

・09 Gia Corm Fillippo Dia(Devil’s Carnival)

・10 In The Forest (君の声が聞こえる)

・11 Carol(Carol’s Theme II)

・12 JUST ONE VICTORY(たったひとつの勝利)

・13 Coexistance

・14 Whatever Comes

・15 RAINBOW RAINBOW(陽気なアインシュタインと80年代モナリザの一夜)

・16 TK Solo ~ Get Wild Continual

・17 ACCIDENT

・18 ELECTRIC PROPHET(電気じかけの予言者)

・19 intelligence Days

アンコール

・01 Be Together(5月18日、19日のみ)

・02 Get Wild(5月19日のみ)

40周年ツアーで演奏したすべての曲のタイトルが書かれた缶バッチは全76種類。ガチャでの購入とあってコンプリートは難しい(筆者撮影)

40周年ツアーの振り返り

令和に入って少しの間、小室さんが引退ぎみだったこともあり、7年ぶりに行われたこのツアーをどれだけ熱望していたことか!それも発表されたツアーの初日はなんと私の誕生日。もうこれは運命でしょ!目標に向けて突き進むしかないでしょと鼻息も荒く、前のめりの私。

実は10年前。30周年ツアーの真っ只中にある目標を立てたんです。それは「次のツアーは必ず全通する」

30周年も同じく四つのツアーで構成されており全部で31公演あったのですが、あえて1公演(大分会場)は行かずに、30公演に参戦しました。理由は、今全通しちゃうと、完全燃焼しちゃって、推し活をやめてしまいそうだから。

私の推し活をとても肯定的にとらえてくれている家族や友人達からは「1公演だけ行かない意味が分からない」と言われましたが、いいんです。自分が決めたことなので。

まあ、あの時に全通していても今も変わりなく推し活していると思いますが、なんとなくこの達成感をとっておきたかったんだと思います。

ということで、40周年ツアー、全通達成!40公演を無事に完走することができました!やったー!感無量です!

思い返せば、コロナ禍の中、推しの名前さえ叫べないライブ。炎天下の中、少量の会場限定グッズを求めて早朝から並んだ苦行の日々。推しのアクスタ(アクリルスタンド)をゲットして、どこでも一緒に写真を撮りまくるようになった日常。

遠征先で食べる美味しいご当地飯とお酒に気になる体重。仕事と家庭でヘロヘロだけど、いろいろ調整する事もあってめんどくさいけど、セットリストはいつも一緒だけど、「よし、明日も頑張るか」とやる気を与えてくれるライブってたまらなく最高なんですよねー。

3人とも65歳オーバー。元気に存在してくれていることだけでありがたいのに、40公演もやってくれるなんて本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

Kアリーナ。ステージを後にする3人に最後にかけた言葉は「ありがとう」でした。

ちなみにライブの後、お酒を飲みながら決まっていうセリフは、「あの3人組、まじでかっこいいわー」。40公演目の後、打ち上げということでFANKS10人で行った居酒屋では、多分いつもの10倍くらい「かっこいい」を連呼していたと思います。

そうTM NETWORKは、永遠の私の推し。超絶かっこいいのです!

40周年ツアーの中で唯一撮影がOKだった、MMぴあアリーナ公演。スマホの撮影に3人でわちゃわちゃしている姿も愛おしい(筆者撮影)

推し活のススメ

この流れで「推し活のススメ」と書くと、推し活=全通のように思われる方もいるかもしれませんが、全通って、心も体も環境も運もいろいろな事がうまくいかないと、なかなかできない事だと思っています。それよりも私が思う一番大切な推し活は、”「好きだ!」と声に出して言う”ことです。

例えば、友達や美容師さんとのなにげない会話の中で「私の好きなTM NETWORKが今度新曲出したんだよねー」とボールを投げてみます。それに対して「どんな曲?」とボールが返ってきたらラッキーだし、「へー」の一言で終ったとしても相手にTM NETWORKが活動していることを伝えたんですから、これって”宣伝”という立派な推し活ですよね。

SNSで発信するもの良いですし、リアルに声に出して言うのも良し。みなさんは推しはいますか?推し活をしていますか?もしまだやっていないのなら、好きだ!と声に出す推し活を強くおススメします!

「〇〇〇〇が大好きだー!」と、恥ずかしがらずにあなたの推しの名前をちょっと叫んでみてください。めっちゃ気持ちがいいですよ(笑)

それに声に出していると、思わぬところから推しの情報が入ってきたりしますよ。(あそこのラーメン屋で宇都宮さん見たよとか、小室さんと一緒に仕事したことあるよとか←なんですって!うらやましい!)

一緒に40公演を全通してくれたTちゃん。最高に楽しいツアーだったね。いつもありがとう。(筆者撮影)

最後に

「40公演の中でどこが一番良かった?」とよく聞かれるのですが、「全部良かったです!」強いていうなら、公演は、小室さんの誕生日で最前列だった倉敷。曲だと40公演目の「ELECTRIC PROPHET」。いつになく気持ちが前に出てくるような宇都宮さんの歌声に心が持っていかれちゃいました。

6月29日からWOWOWでTM NETWORK特集が11カ月連続で放送されます。この「ELECTRIC PROPHET」はたぶん7月27日の放送で見れると思っているのですが、きっと映像見たら泣いちゃうんだろうなぁ。今から楽しみです。

そして約8カ月続けた、全力推し活日記もこの17回をもって一旦終了したいと思います。

ただのTM NETWORKのファンのつたない文章を読んでいただいたみなさん、ありがとうございました。また単に”TM NETWORKが好き”というだけで、このような推し活の機会を与えてくれたBCN+R編集部のみなさん、ありがとうございました。

こうやって自分の活動をまとめたことで、自分が思っている以上に”TM NETWORKが好きだ”ということがわかりました。もちろん、これからも全力で推し活を続けていきますので、書きたくなったら浮上するかもしれません。その時はまたよろしくお願いします。(フリーライター:まるたに しず)

■Profile

まるたに しず
都内近郊在住。パソコン周辺機器メーカーで20年以上、広報PR業務に従事。現在「いつまでもいると思うな、“推し”と“親”」をモットーに自分らしく毎日を過ごしています。趣味は、ライブ観賞とスノーボード。最近ダイエットのためキックボクシングを始めました。(Xアカウント:@marutani1974)

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