福部真子 パリ五輪参加標準記録突破の舞台裏【陸上日本選手権】

■陸上・日本選手権3日目 女子100mハードル準決勝(新潟市・デンカビッグスワンスタジアム)

パリ五輪の代表選考会を兼ねた日本選手権。女子100mハードル準決勝で広島皆実高校出身の福部真子(日本建設工業)が12秒75を記録しパリ五輪の参加標準記録を突破し決勝進出を決めた。
この種目、現時点で日本人ただ1人参加標準記録を突破している福部は、明日の決勝で優勝すればパリ五輪出場内定。3位以内でもパリ五輪出場濃厚となる。パリ五輪出場をかけた最後の大会である日本選手権。福部は体力の消耗覚悟で予選から参加標準記録を狙っていた。

美容師の父親譲りのオシャレへの探究心を持つ福部。髪が邪魔にならないようにと研究に研究を重ねて見つけた2本の三つ編みヘアーが今年のトレードマーク。そんなヘアスタイルで日本選手権に挑んだ福部。予選レースは不運にも向かい風が吹く中、参加標準記録まであと0.08秒の12秒85を記録。大会新記録で準決勝進出を決めた。

陸上の練習以外は室内にいることが多く太陽の日差しが天敵と話す福部。準決勝までの時間は極力日陰に入り体力の回復に専念した。
所属する日本建設工業の大応援団が声援を送る中で迎えた準決勝。ずっと取り組んできたスタートから中盤、終盤とスピードを上げていくハードリングを体現し日陰のレーンを1番に駆け抜けた。
記録は2年前に自身が樹立した日本記録12秒73に迫る12秒75。パリ五輪の参加標準記録を突破し、初めての五輪出場を目の前まで一気に手繰り寄せ明日の決勝に臨む。

明日の日本選手権決勝、完全復活した日本記録保持者は今日使わなかったもう一つの武器を用意しパリ五輪内定と日本記録更新を狙う。

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