なぜ大人になると1年が早く過ぎたように感じるの?実は時間が短いと感じる『法則』があった

歳を取るにつれて時間の流れが早く感じるように…なぜ?

皆さんは今年で何歳になりますか。20代後半〜30代に入る頃から、少しずつ時間の流れが早く感じるようになったという人は多いと思います。

歳を取るにつれて「あれ?ついこの前、新年を迎えたはずなのに、もう年末だ…」というように、1年の感じ方が早くなっていくのは、多くの人に起きる現象です。

若い頃は1ヵ月ですら長く感じたはずなのに、今では1年なんて昨日のことのように感じる…と実感してしまうと、少しだけ切ない気持ちになる人もいるでしょう。

なぜ大人になると1年が早く過ぎたように感じるのか

なぜ人は歳を重ねると1年が早く過ぎたように感じてしまうのでしょうか。実は、この不思議な感覚は、ある哲学者によって心理学的側面で『法則』が提示されています。

19世紀のフランスの哲学者・ポール・ジャネの法則

「大人になると1年が早く過ぎたように感じる」「時間の流れが早く感じるようになる」という現象の理由は、『ジャネーの法則』が関係していると考えられています。

ジャネーとは、19世紀のフランスの哲学者だったポール・ジャネのことを指しており、彼はこの不思議な現象を「主観的に記憶される年月の長さは、年少者にはより長く、年長者にはより短く感じられる」と理由づけたのです。

これは、歳を重ねるにつれて、その1年が今まで生きてきた人生に対して比率が小さくなるため、時間が短く感じるという意味なのだそうです。

例えば、40歳の人にとっての1年は、今まで生きてきた時間の1/40に当たります。しかし、10歳の子にとっては1/10と、40歳の人に比べると1年が占める割合が非常に大きいです。

そのため、年齢が若い人にとっては1年が長く感じ、歳を重ねるごとに徐々に1年の比率が小さくなり、1年を短く感じるようになると考えられています。

「年を重ねるにつれて新しい刺激が減っていくから」という理由も

ジャネーの法則とは別に、NHKの教育番組の中で同じ質問を尋ねられた際、「人生にトキメキがなくなったから」という意見も飛び出しました。

実際、小さな子どもは毎日新たな刺激と出会う機会がたくさんありますが、大人になるにつれて多くのことを経験し学んでしまったため、新たな刺激と出会ったり、刺激を受けてもその刺激に対して特別な感情を抱くことが少なくなる傾向にあります。

例えば、小さな子どもが見つけた新たな刺激や発見を見ても、大人はすでに知っていたり大きな感動を得られることは少ないでしょう。

このように、人生における経験値や充実度が減っていってしまったために、大人になると単調な日々を過ごすことになり、時間の流れが短いと感じているのではないかという意見もあります。

「時間が短く感じる現象」に抗うためには新しい刺激が必要

お話ししたように、大人になると時間の流れが短く感じる現象は、人生における1年の比率が小さくなったことや、幼い頃に比べて新たな刺激や発見、楽しみが減ってしまったことが原因と考えられます。

毎年歳は重ねられていくため、1年の比率が徐々に小さくなってしまうことは仕方のないことです。しかし、1年間に新たな刺激や楽しみを取り入れて、毎日のように充実した日々を過ごすことは誰にでもできます。

  • 新たな習い事に挑戦してみる
  • 行ったことのない場所へ行ってみる
  • 心を揺さぶられたことを一言日記に書いてみる
  • やってみたいことリストを作ってみる

このように自発的に新たな刺激を求めて新しいことに挑戦してみてはいかがでしょう。

バレットジャーナルなどを活用し、1年間でやってみたいことや自分がどうなりたいか、どのような日々を過ごしたいかを考えて行動してみると、1年前よりも充実した1年間を過ごすことができるかもしれません。

自分から新たな刺激を探して日々を充実させよう

大人になると1年が早く感じるようになるのは、ジャネーの法則や新たな刺激が減ったことが原因として考えられます。日々に新たな刺激や楽しみを自発的に取り入れることで、昨年よりも充実した1年を作り上げましょう。

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