脂ののったサバを炭火でこんがり…「半夏生」にサバを食べる風習の福井県大野市

炭火でこんがりと焼かれたサバが並ぶ店先=6月29日、大野市明倫町の「うおまさcafe」

 夏至から数えて11日目の7月1日は「半夏生」。この日にサバの丸焼きを食べる風習がある福井県大野市では6月29日、鮮魚店などで脂ののったサバが炭火で焼かれ、香ばしい煙と匂いが漂った。

 江戸時代に大野藩主が田植えで疲れた農民を思いやり、藩の飛び地があった越前海岸で水揚げされたサバを丸焼きにして食べさせたのが始まりとされる。地域に根付く食文化をPRする文化庁の「100年フード」に認定されている。

 同市明倫町の鮮魚・飲食店「うおまさcafe」では、40センチほどのサバを仕入れ、グリルで火を通した後、3代目店主の山本恭子さん(47)が店先の焼き台で丁寧に炭火で焼き上げていった。県外発送も含め今シーズンは約千本を仕上げるという。対面販売は予約制で7月2日まで。

 夫や娘と訪れた同市出身の女性(29)=福井県あわら市=は「この時期になると大野に帰り、実家で半夏生サバを食べるのがルーティン」と話していた。

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