BBQにキャンプ場、多彩な森遊びプログラムも…SSTランドがリニューアル「森のほうかごビレッジ」 福井県福井市

ツリーイングを楽しむ子どもたち(森のほうかごビレッジ提供)
秘密基地をモチーフに内部が改修されたロッジ=福井県福井市笹谷町

 福井県福井市笹谷町の「SSTらんど」が民間譲渡され、NPO「森のほうかごがっこう」が運営する「森のほうかごビレッジ」として生まれ変わった。バーベキュー、キャンプ場の機能に加え、季節ごとに子どもたちが体験できる森遊びプログラムを多彩に打ち出している。2023年度から森林の整備やロッジ改装も並行し「手軽に森の素晴らしさを知り、いろんな人のやりたいことができる場所にしていく」としている。

 SSTらんどは、キャンプ・バーベキュー施設として1993年から運営されてきたが、市は利用者減少や老朽化、類似施設が複数あることなどを要因に廃止方針を決めた。地権者と市の話し合いで民間譲渡を検討しプロポーザルを実施した。同NPOは10年ほどにわたり同施設で森遊びの企画を行っており、森への思いや地元の惜しむ声を受け手を上げた。

 昨年度はプレオープンして森遊びを企画するとともに、広大な森林の間伐、整備や、老朽施設の改修に取り組んだ。約9万平方メートルに及ぶ広大な敷地整備には時間がかかったものの、同NPOの正木宏幸理事長は「四季の移り変わりが分かりやすい広葉樹林の森で遊ぶという、貴重な体験ができる」と環境の良さに太鼓判を押す。

 同ビレッジのコンセプトは「はしごをのぼってなにしよう」。遊びや食、農業などを通してさまざまな人が集まり、はしごを登るときのようなわくわく感を楽しめるコミュニティーベースを目指す。同NPOにはキャンプやカヤック、ツリーイングなどの有資格者が多数所属している。この強みを生かし、バーベキューやロッジ宿泊に多彩な遊び、活動を加えることで、利用者の幅の拡大につなげている。

 ロッジは5棟のうちまず1棟を改修し、内部に「秘密基地」を設けた。ロッジから入れるツリーハウスも建設中で、10月には新たなキャンプサイト、個室バーベキュー施設などとともにオープン予定。首都圏の親子らを対象にした体験ツアーなども計画している。

⇒【写真】秘密基地をモチーフに改修されたロッジ

 正木理事長はビレッジ内だけでなく、海岸でシーカヤックを行うなど地域としての発展を目指す。「森と子ども、一帯を巻き込んだ経済圏としても育てていきたい」と意気込んだ。

 施設や体験の予約はホームページから。問い合わせは同ビレッジ=電話0776-98-2752。

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