レモンやスイカ柄も!外国人観光客には富士山が人気 日本三大和紙「越前和紙」で“やわらかい風”のうちわ【福井発】

日本三大和紙の1つ「越前和紙」の産地、福井・越前市今立地区では、本格的な夏に向けてうちわ作りがピークを迎えている。手すきの和紙に伝統技法を用いたうちわだが、ポップな絵柄が外国人観光客からも人気となっている。

伝統技法の絵柄 職人が手作業で

大正8年創業の五十嵐製紙では、毎年5月ごろになると手すきの越前和紙を使ったうちわ作りを始める。

まず、ベースとなる紙をすいてうちわの型に流し込み、その上にのせた金型に色の付いた和紙を流し込んで絵柄を作っていく。

水を落として模様を付ける「落水」や「絞り」など、伝統技法を用いた絵柄のものもある。職人が手作業で作るため、一つ一つ表情が違うのも魅力だ。

乾燥したものを竹製の骨組みにのり付けすれば、うちわが完成する。

“浴衣”に合わせポップな柄が人気

花火や金魚など定番のデザインに加え、2024年は新たに富士山やサクランボのデザインが加わった。新幹線開業によるインバウンド効果もあり、増えつつある外国人観光客からは富士山が人気だという。

若い女性には、レモンやスイカなどポップ絵柄を「浴衣に合わせる」と購入する人が多いという。

伝統工芸士でもある五十嵐製紙の五十嵐匡美さんは「和紙ならではの多種多様な模様があり、見た目にも涼しく、やわらかい風が来る。今年も暑い夏が予想されているが『涼しいわ、買ってよかった』と感じてほしい」と話している。

8月ごろまでに大・中・小あわせて約2000本を作り、五十嵐製紙や越前和紙の里・パピルス館などで販売する。(価格は大1600円、中1000円、小800円)

(福井テレビ)

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