21歳桑木志帆、悲願の初V「忘れ物を取りに来た」 1年前POで惜敗&号泣、今度は嬉し涙「頭が真っ白」

資生堂レディス最終日をプレーする桑木志帆【写真:Getty Images】

女子ゴルフ国内ツアー・資生堂レディス

女子ゴルフの国内ツアー・資生堂レディスは30日、神奈川・戸塚CC西C(6697ヤード、パー72)で最終日が開催された。1打差2位で出た桑木志帆(大和ハウス工業)が4バーディー、1ボギーの69で回り、通算11アンダー。嬉しいツアー初勝利を手にした。28日に降雨で中止となった影響により、54ホールの短縮競技で決着。首位で出た堀琴音(ダイセル)は3バーディー、3ボギーの通算9アンダーの2位で、2年3か月ぶりの通算3勝目とはならなかった。

堀が首位、1打差で桑木が出た最終日。5番パー3で桑木がフックラインを読み切り、長いバーディーパットを沈めて堀に並ぶ。堀も負けじと6番パー4で、第2打をピンそばにつけるスーパーショット。バーディーで再び単独トップに立った。8番でともにボギーを叩くが、堀が9番パー4でパーパットを決められず、逆に桑木がまたも長い距離のバーディーパットをねじ込み逆転。首位が入れ替わってサンデーバックナインに入った。

桑木、堀ともに12番でスコアを伸ばす。8位で出た原英莉花も2打差に迫る中、15番パー4で堀がバーディー。10アンダーで首位に並んだ。しかし16番パー4で桑木がピンまで約1メートルにつける好ショットからバーディーで抜け出し、最終18番はパー。ウイニングパットを決めると両手を突き上げてガッツポーズ。キャディーや同期の岩井姉妹とハグを交わすと、うれし涙を見せた。

21歳の桑木は2021年6月のプロテストに合格。昨年は2位に2度入り、今季もトップ10入り7度を記録しているが優勝には届いていなかった。この大会では昨年、首位で最終日を迎えながらも櫻井心那(ニトリ)とのプレーオフに敗れて初優勝を逃し、勝者をハグで気丈に称えたものの、堪えきれず大号泣していた。あれから1年。悔しい思い出の地を、喜び溢れる場所に変えて見せた。

雨の中で赤いブレザーをまとった桑木は優勝スピーチで「今、初優勝したという実感があまりなく、頭が真っ白ですが、まずは去年の忘れ物を取りに来たということで、取りに来られて本当に良かったと思います」とコメント。家族らのサポートに感謝の言葉を述べ、「初優勝まですごく長く感じましたが、2勝、3勝と勝利を重ねていけるように一生懸命頑張りますので、温かい応援をよろしくお願いします」と抱負を口にし、拍手を浴びた。

THE ANSWER編集部

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