絵本ライブで笑顔運ぶピエロ 佐藤敦士さん、沿岸を300回超訪問

「くらうん・しゅがー」として子どもたちと笑顔で触れあう佐藤敦士さん=29日、花巻市湯口

 みんなに笑顔を届けたい―。岩手県花巻市諏訪町の佐藤敦士さん(60)は、東日本大震災発生後から被災地などで子ども向けの絵本ライブを続けている。陽気なピエロに扮(ふん)し、これまで13年間で沿岸各地を300回以上訪問。読み聞かせや手品などで子どもたちを元気づけてきた。内陸部にも活動を広げ、地域活性化にも取り組む。「求められる限り、どこでも出向く」と笑顔があふれる空間づくりにまい進する。

 「始まるよったら、始まるよ」。軽やかなウクレレ音に子どもの目が一瞬で輝く。花巻市湯口の湯口大谷幼稚園(白藤千恵美園長、園児20人)で29日、佐藤さんの絵本ライブが開かれた。全力で繰り広げる手遊びや手品、歌を交えた読み聞かせに、親子ら約100人が夢中になった。

© 株式会社岩手日報社