女子ゴルフ観客仰天「球を見ずに打っている」 復活気配の2位、堀琴音がノールックパットを導入した理由

資生堂レディス最終日をプレーした堀琴音【写真:Getty Images】

資生堂レディス最終日

女子ゴルフの国内ツアー・資生堂レディスは30日、神奈川・戸塚CC西C(6697ヤード、パー72)で最終日が開催された。首位で出た堀琴音(ダイセル)は3バーディー、3ボギーの72で回り、通算9アンダーの2位。11アンダーでツアー初優勝を飾った桑木志帆(大和ハウス工業)と争ったが、最終18番をボギーにして力尽きた。2年3か月ぶりの通算3勝目はならずも、ボールで見ないで打つ“ノールッパット”が冴え、観客を沸かせた。復活の手応えをつかんだ28歳がリベンジを期す。

最終18番パー4。5メートルのパーパットを決められず、堀は天を仰いだ。桑木の優勝が決まると、笑顔でハグ。だが、アテスト後には不甲斐なさを口にした。

「今日は自分が情けない1日でした。風(向き)を間違ったり、アイアンの縦距離が合わなかったりで……」

22年3月のTポイント×ENEOSから遠ざかっている勝利。優勝争いも2位に終わった同年4月のヤマハレディースオープン葛城以来だった。その間パットに悩み、1年前からは長尺パターを導入。2か月前からはボールを見ないでストロークするノールックパットを取り入れた。それが次第にフィット。この日は3番パー4で8メートルのパーパットを沈め、12番パー4では桑木がスコアを伸ばした後、3メートルのバーディーパットを決めてみせた。

「(ノールックパットは)2か月ぐらい前から始めました。やると、ストロークを気にしなくて済むので」

文字通り、アマチュアゴルファー衝撃のストローク。ギャラリーからは、堀がホールを重ねるごとに「ボールを見ないで打っている」「すごすぎる」の声が多くなった。アドレスをしっかりと決め、パターヘッドをボールの後方にセットした後は首を右にかしげて目線をカップへ。その形のままストロークをし、堀はジャストタッチの好パットを見せ続けた。

堀自身も観客を大いに沸かせたことプラスにとらえた。

「今日はずっと緊張はしていましたが、嫌な緊張ではありませんでした。ようやく『3勝目をしたい』ではなく、『3勝目ができる』と思えました」

勝った桑木については「ドライバーも飛ぶし、パットもうまいし、全く隙のないプレーで素晴らしかったです」と称賛。潔く負けを認めた堀は、再び精進を重ねて自力で勝利を目指す。

THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida

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