街中でクマとばったり出くわしたら…専門家に聞いたとるべき行動 走る時速は40キロ「逃げるものは追いかける本能がある」

2019年9月に県総合グリーンセンターに出没したクマ=福井県坂井市丸岡町楽間

 全国でツキノワグマの被害が相次いでいる。もし子どもたちが登下校や遊んでいるとき、街中でクマにばったり出くわしたらどうしよう…。逃げる、身を守る-どういう行動をとるべきか専門家に聞いてみた。

目は良くない

 まずは、ある程度距離がある状況で遭遇したら-。

 「とにかく落ち着くことが一番大事。大きい声を出すと襲ってくることもあるので、静かにすること。こちらに気づかずにどこかへ行くかもしれないし、気づいても逃げていくこともある」

 こう話すのは福井県自然保護センター(大野市)でクマ対策などを担当する主事の服部耕平さん(48)。クマは耳や鼻は利くが目が良くないため、離れた距離で動かずに音を立てなければ人と認識できない可能性があるという。

 それでもクマが動かない場合は、ゆっくり後ろに下がっていくのが有効だ。「クマは逃げるものを追いかける本能があるため、走って逃げるのは良くない」と服部さん。その際ランドセルなど荷物を投げ捨てていくと、クマが物に執着して時間稼ぎになることも。ちなみにクマは時速約40キロで走ることができるそうだ。

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