TSMC進出で需要増 熊本県菊陽町が路線価24%アップで上昇率全国2位 1位は長野県白馬村

相続税などの基準となる土地の価格「路線価」(2024年1月1日時点)が公表され、熊本県菊陽町の調査地点が全国2位の上昇率となりました。

記者「菊陽町光の森に来ています。この場所の路線価が、TSMCの影響で全国で2番目の上昇率となりました」

熊本国税局によりますと、熊本県菊陽町光の森3丁目の「県道住吉熊本線」の1平方メートルあたりの価格は15万5000円で、去年から24%上昇。上昇率は2年連続で全国で2位、九州では1位でした。

【上昇状況】
菊陽町光の森3丁目「県道住吉熊本線」
2022年: 10万5000円
2023年: 12万5000円(前年比19%上昇)
2024年: 15万5000円(前年比24%上昇)
※2022年と比べて2年で47.6%の上昇、2年で約1.5倍に

一方、上昇率の全国1位は、長野県白馬村北城(ほくじょう)の村道、和田野線の3万7000円で、去年(2万8000円)と比べて32.1%の上昇でした。

不動産鑑定士によりますと、スキー場のふもとにあるこの通り沿いには中規模の宿泊施設や飲食店があり、周辺には別荘やペンションなどの宿泊施設があることで、国内外の富裕層や投資機関からの不動産需要を呼び込んでいるということです。

また菊陽町に関しては、TSMC進出などで工業用地や住宅地などの需要が高まっていることが要因ということです。

この状況について、熊本県民は…

(菊陽町在住 60代)「電車にも外国の方が乗っていることが多い。活気は出てきています」

(熊本市在住 30代)
「最近すごく車の通行量が増えて混雑しているなと。渋滞しているのを感じます」

また、熊本県内で最も価格が高かったのは、熊本市中央区手取本町「下通アーケード」の206万円で、去年から1%上昇しました。

なお、熊本市が本庁舎の移転先としているNTT桜町ビル跡地前の県道は56万円、現在の本庁舎前の県道は66万円でした。
※いずれも県道熊本高森線

【上昇状況】
NTT桜町ビル跡地前の県道
2023年: 54万円
2024年: 56万円(前年比3%上昇)

現在の本庁舎前の県道
2023年: 62万円
2024年: 66万円(前年比6%上昇)

一方、熊本県内10の税務署のうち、人吉と天草の税務署では最高路線価が去年と比べて下落していて、TSMC効果が県内全域に波及しているとは言えない状況です。

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