熊本市議会 上熊本駅の屋根落下で業者提訴は「継続審査」損害賠償請求の方針は変えず

熊本市議会の定例会は6月27日に最終日を迎え、一般会計補正予算案などを可決した一方で、上熊本駅の屋根落下事故は審議を継続することになりました。

可決された一般会計補正予算案は総額約11億1700万円で、そのうち約1億1200万円は、年内にも全国交通系ICを廃止しクレジットカード決済を新たに導入する、県内の路線バス事業者への助成金です。

一方、今回の定例会では去年7月に上熊本駅の屋根の一部が落下した事故を受け、施工業者に対し約1億5000万円の損害賠償を求める議案も提出されましたが、こちらは継続審査になりました。

熊本市議会 寺本義勝 議長
「継続審査を認めることに賛成の議員の起立、または挙手を求めます」
「起立多数。よって本件は継続審査を認めることに決定しました」

この問題を巡っては6月に入り、施工業者が「市側に複数回補修工事を申し入れたにも関わらず、市が対応しなかった」と反論していました。

施工業者 『太陽土木』の社長「落下する可能性があることは業者側も再三、市に申し入れていた」

この訴えに対し市は管理責任は認めたものの、業者側の工事に不備があったとの立場は崩していません。

熊本市法制課 金子明真 審議員「市民に被害が生じた場合には、賠償責任を負う意味での管理責任はある」

責任の所在はどこにあるのか。大西一史(おおにし かずふみ)熊本市長は、業者側に損害賠償を求める考えに変わりがないことを強調しています。

大西一史 熊本市長「性能を欠く瑕疵(かし)があったことは事実ですので、本来負担する必要のない費用が発生していますので、それに対する賠償金の請求は必要である」

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