休憩中、複数のクマに追いかけられ男性がけが 栃木・日光市で  那須では車と接触事故も

病院職員がクマに襲われた現場付近(写真奥)で警戒する日光署員=1日午後3時55分、日光市足尾町砂畑

 1日午後0時5分ごろ、栃木県日光市足尾町砂畑の病院関係者から「職員がクマに襲われた」と110番があった。日光署によると、この病院に勤務する男性職員(51)が近くの山林でクマに遭遇して襲われ、頭部から出血するなどして治療を受けた。命に別条はなかった。

 同署によると、男性は病院から南に100メートルほど離れた山林内で昼休憩中、体長不明の2、3頭のクマに追いかけられ、覆いかぶさられたという。その後、抵抗して振りほどいて逃げ出し、病院関係者に助けを求めた。男性は「がさっと音がしたので振り返ると、黒い影が見えたのでとっさに逃げた」と話していたといい、左耳周辺、背中、左腕に爪に引っかかれたような傷があった。

 日光署は現場周辺で、署員がクマ撃退スプレーや盾を持ってパトロールしたほか、日光市役所は猟友会と協議の上、現場付近でクマ捕獲用のワナを仕掛けた。

 この病院周辺では5月23日にクマが目撃されているほか、この日は中宮祠の竜頭の滝駐車場敷地内、清滝4丁目の清滝公衆トイレ付近でいずれも体長約1メートルの1頭が目撃されるなど、同署管内の足尾町や中宮祠でクマの出没が相次いでおり、同署と市が警戒を呼びかけている。

 一方、那須町では同日午後3時50分ごろ、東北自動車道那須インターチェンジ付近の交差点で体長約1メートルのクマと乗用車が接触する事故があった。那須塩原署によると、30代男性運転手にけがはなかった。同所ではこのほか午後に2度目撃があった。

 

病院職員がクマに襲われた現場付近(写真奥)で警戒する日光署員=1日午後3時50分、日光市足尾町砂畑

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