ドジャース・山本由伸投手観戦ツアー「参加者が一部市民に限られるのは不公平」予算執行差し止め求め住民監査請求【岡山・備前市】

岡山県備前市が市内の中高生らを対象に地元出身のドジャース・山本由伸投手を現地で応援するツアーを計画していることについて、ツアー参加者が一部市民に限られるのは不公平だとしてきょう(2日)、一部の市民が住民監査請求を行いました。

きょう(2日)、監査委員事務局に住民監査請求を提出したのは備前市に住む22人です。備前市が企画するツアーに参加できる中高生が市民の一部に限られるのは地方自治法に違反しているなどとして、ツアー予算の執行差し止めを求めています。

(住民監査請求を提出した市民の代表 桐山宗義さん)
「市民感覚がずれているんじゃないかな。(税金を)使うべきところに使ってないのでは。使うべきところに使ってほしい」

ツアーは、備前市出身の山本由伸投手が今シーズンからメジャーリーグのドジャースに所属したことを受けて決まりました。夏休み期間中に市内の子どもたち200人を、ドジャースの試合観戦やロサンゼルスの観光などに招待するものですが、希望者が定員を上回った場合は抽選となることが決まっていました。

(吉村武司備前市長(吉の上は「土」))
「備前市全体で山本選手を応援したいと考えております」

備前市は2月の新年度予算案で参加者の旅行費用の一部30万円を補助するとして6000万円を計上。議会では「子どもたちの家庭環境で、参加できる人が限定されるのでは」との意見も出ましたが、予算案は可決されました。

総額1億2960万円 ツアーに向けて準備が進む…

その後、参加者にかかる費用は全額、市が負担するとして6月の補正予算案で6960万円を追加し、費用は総額1億2960万円となりました。ツアーは今年8月に行われる予定で現在、準備が進んでいます。

一方で、定員200人に対し参加を希望した中高生は299人に上りました。6月、抽選が行われ参加者が決まっています。

(当選者)
「夢の舞台なんでそこに行けるとなったらワクワクが止まりません」
「初めて海外に行ったりするんで、備前市の納税をされている方には感謝の言葉」

(藤田政宣備前市副市長)
「ツアーに参加いただいて、生でアメリカの雰囲気をつかんで、今後の人生の糧にしていただけたらと」

今回の住民監査請求が受理された場合、60日以内に予算執行の差し止めなどの勧告が行われる可能性があります。しかし、法的拘束力はなく、市長がツアーを実行すると判断すれば、予定通り実施されるということです。

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