「あっ生まれてくれた!」香川県水産試験場が世界初「イイダコ」の完全養殖に成功 漁獲量激減の資源回復に期待

香川県で漁獲量が20年前の100分の1にまで激減しているイイダコ。その資源保護に取り組む県の水産試験場がこのほど世界で初めてというイイダコの「完全養殖」に成功しました。

(香川県水産試験場 中山博志増養殖研究課長)
「これが完全養殖のイイダコです。あ、生まれてくれたと思いました」

先月(6月)ふ化した、イイダコの赤ちゃんです。香川県水産試験場で昨年生まれた親ダコから生まれた、まさに「完全養殖」。世界で初めてだといいます。

水産試験場では、近年漁獲量が激減しているイイダコの資源回復のため、赤ちゃんをふ化させ、育てる研究に3年前から取り組んでいます。今回の「完全養殖」は大きな意味があるといいます。

(香川県水産試験場 中山博志増養殖研究課長)
「数は少ないんですけど、この技術を進めていくと、親を天然から買い取らなくてもいいということで、そのまま資源回復につなげられたらいいなと」

香川県内のイイダコの漁獲量は昨年が1.7トン。20年前の100分の1に激減しています。水産試験場は、漁業者と協力して卵や赤ちゃんを海に戻すなど、イイダコの資源回復に取り組んでいます。

(香川県水産試験場 中山博志増養殖研究課長)
「漁業者さんも漁獲の制限をするとか、遊漁者の皆さんにも釣りに関するご協力をいただいたりして、全体で取り組むことで資源回復が進んでいけばいいなと思っています」

大量生産の技術の確立を目指し、日々研究を続けています。完全養殖されたイイダコの赤ちゃんは、近く、海に放流される予定です。

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