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熊本地震からの復旧工事が続く熊本城です。城内には何の目的で設置されたのか分かっていない石垣を貫くトンネル『石門』があることは以前お伝えしましたが、
復旧に伴う発掘調査の中でその謎に迫る発見がありました。確認されたのは『通路』と『排水路』の痕跡です。
天守閣から見て北東側にある石のトンネル『石門』。
江戸時代の絵図にも『中之石門』と『外之石門』の2つの石門が描かれています。
地震前から公開エリアではなかったため知る人ぞ知る存在で、その設置目的は謎に包まれていました。
熊本地震で崩落した周辺の石垣の回収も終わり、今年4月から7月にかけて江戸時代の遺構などを確認するための発掘調査を実施。2日現場が報道陣に公開されました。
【郡司琢哉アナウンサー】
「今回の発掘調査での大きな発見は2つです。石門は築造当時、もっと高かったことと、石門の下には排水路が設置されていたということです」
中之石門上部の石垣は1967年から68年にかけて積み直しが行われていて、石門の下に、明治から昭和にかけてのいずれかに設置されたとみられる土管の排水路があることは分かっていましたが、今回の調査ではさらに掘り進め、江戸時代に造られたとみられる排水溝を発見しました。
排水溝は幅45センチから70センチ、深さ20センチから35センチで、
中之石門を出たあと東へ直角に曲がり、平櫓方面に向かいます。
また石門の基礎部分には厚さ60センチの土が入れられていて、築造当時のトンネル内部の高さはおよそ2メートルと、大人が立って歩ける空間が確保されていたことも分かりました。
これらのことから石門には少なくとも『通路』と『排水路』の機能が備えられていたことが今回の調査で分かったのです。
【熊本城調査研究センター網田 龍生 所長】
「築造した目的が何だったかは突き止められるものではないと思いますが、機能として排水の機能、そして通ることも十分できる大きさで造っていますので、通路としての機能もあったと思っていいんじゃないかと思います」
【郡司アナ】
「抜け穴ではない?」
【網田所長】
「通路ではあるので非常時には抜け穴にはなったのかもしれないですが、幸い非常時が起きなかったと思いますので、抜け穴として使われたという歴史的な事実があるわけではないですね」
熊本城調査研究センターでは、周囲の安全が確保できないとして石門周辺の一般への公開予定はないということですが、調査の成果についてパンフレット等で情報発信していきたいとしています。