カラフルに復興願い 長崎歴文博で「こぼし展」開幕

 長崎市で開催中の「長崎平和アートプロジェクト(ナヘア)」の中心イベントで、著名人らが震災復興を願って絵付けした福島県の郷土玩具、起き上がり小法師(こぼし)を飾る「長崎おきあがりこぼし展」(実行委主催)が5日、立山1丁目の長崎歴史文化博物館で始まった。国内外の文化人やスポーツ選手、漫画家らが描いた色とりどりの約230点が並んでいる。
 無地の小法師に著名人らが絵付けするプロジェクトは、フランス在住のファッションデザイナー、高田賢三さんらが発案し2012年に同国でスタート。その後、日本漫画家協会などが参加した。昨年、広島で展示会があった際に県内の作家らへ協力要請があり、実行委が発足していた。
 出品者は俳優ジャン・レノさん(フランス)、男子棒高跳び元スター選手のセルゲイ・ブブカさん(ウクライナ)、漫画家ちばてつやさんら多彩。高さ約10センチの小法師に漫画の主人公や人物、動物、模様などが独創的に描かれていて、来館者が熱心に見入っていた。
 子どもや友人と訪れた同市女の都3丁目の相庭淳子さん(45)は「倒れても起き上がって元気になるイメージ。震災復興や平和について考えた」と話した。
 同博物館では31日まで。長崎原爆資料館(12~31日)、浜屋百貨店(15~20日)、石丸文行堂(14~23日)でも開き、市民の作品を含む計約700点を展示する。

多彩な起き上がり小法師に見入る親子連れ=長崎歴史文化博物館

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