岩手の「タコとんび」が1位 かめばかむほど出るうま味

 身が締まっているのに柔らかく、タコの甘みとレモン風味が口の中に広がる。北海道新聞社(札幌市)で29日開かれた北海道・東北ブロック予選で1位に輝いたのは、岩手県の「北三陸 タコとんびバル」。推薦した岩手日報社の担当者は「隠れた食材なので、全国に広まってほしい」と力を込める。

北海道・東北ブロック代表の「北三陸 タコとんびバル」

 「タコとんび」は、タコの足の付け根にある口の部分。黒い歯がとんびのくちばしに似ているため呼び名が付いた。筋肉が活発に動く部分でうま味がある希少部位だが、見た目が良くない上に食べづらく、入手しにくいため、地元漁師でさえ食べる人は少ないという。

 貴重な食材なのに、もったいない―。同県普代村の水産加工会社「越戸商店」の越戸秀子さんが一念発起し、約2年かけて商品開発した。あぶってタレで味付けし、レトルト食品に仕上げた。

 岩手日報社広告事業局の上中基樹さんは「ワインにも日本酒にもぴったり」と胸を張る。かめばかむほどタコのうま味が出るつまみで、酒好きにはたまらない。

 惜しくも2位だったのは、山形県の「ご飯にかける生姜焼き」(山形新聞社推薦)。さくらんぼカレーも手掛ける同県高畠町の食品製造会社「後藤屋」が開発した、名産の三元豚を使ったペーストだ。ショウガの甘みと豚肉のコクが、白米や冷ややっこ、野菜炒めに合う。

 (共同通信札幌支社編集部 原菜月)

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 この日で全国6ブロックの代表が出そろった。11月13日に東京で開かれる全国大会で大賞が決まる。

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