【平成の長崎】初代対馬市長に松村氏 小差で渕上氏破る 平成16(2004)年

 合併新市発足に伴う初の対馬市長選は28日、市内128カ所で投票が行われ、即日開票の結果、前美津島町長の松村良幸氏(62)=無所属=が、前厳原町長の渕上清氏(67)=無所属=との激戦を制し、初代市長に当選した。
 当日有権者数は3万2198人(男1万5571、女1万6627)。投票率は87・77%(男87・43、女88・09)=市選管調べ=。
 両氏がともに新市の課題に対する独自の公約を掲げる中、有権者は、町長連続6期、全国離島振興協議会長などを歴任し、国や県との太いパイプを強調した松村氏に市政のかじ取り役を託した。
 松村氏は、昨年9月の定例町議会で立候補を表明。後援会を中心とした組織選挙を展開し、渕上氏の地盤の厳原町や知名度が低かった市北部などにも浸透。街頭演説でも、財政再建の必要性と、情報の共有化のための「有線テレビ網整備」などの地域振興策を訴え、支持層を広げた。
 町職員出身の渕上氏は、豊富な行政経験を強調、日韓交流を核にした流動人口の拡大策や基幹産業の振興を訴えたが、及ばなかった。
(平成16年3月29日付長崎新聞より)
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当選を果たし、支持者と万歳する松村良幸氏=対馬市美津島町の選挙事務所

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