建設差し止め 仮処分申請 BSL4で周辺住民ら

 長崎大が長崎市の坂本キャンパスで近く着工する予定の感染症研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」について、周辺住民ら2人が1月22日、同施設の建設差し止めの仮処分を長崎地裁に申し立てた。

 申立人は、坂本キャンパス近くに住む自営業、下川高志さん(54)と、BSL4建設に反対している長崎大名誉教授、木須博行さん(70)。BSL4で扱う病原体が漏れると、市民の生命や健康に危害を及ぼすと主張。住民の合意を得ないまま施設を完成させれば、憲法が規定する人格権を侵害するとしている。

 下川さんと木須さんは長崎市役所で会見。下川さんは「大学は住民をないがしろにして坂本キャンパスへの設置ありきで計画を進めてきた。住宅密集地にBSL4をつくらないでほしい」と訴えた。

 木須さんは、長崎大学病院で配管などが燃えたのに消防機関への通報を怠っていたことについて、「安全管理がずさん。(BSL4の)運営主体となる資格がない」と批判した。2人は、BSL4計画によって不安やストレスを強いられているとして、損害賠償請求訴訟も検討していると明らかにした。

 長崎大は「申立書を確認しておらずコメントできない」としている。

「BSL4を住宅密集地につくらないでほしい」と訴える下川さん(右)=長崎市役所

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