ORC不適切整備 「あまりにずさん」離島市民ら怒りの声

 「あまりにずさん」「安全第一のはずなのに」-。オリエンタルエアブリッジ(ORC)が不適切な航空機整備をしていたとして国土交通省から業務改善勧告などを受けた5日、同社の定期便で本土とつながる離島の市民や、対応に追われた空港関係者からは不安と怒りの声が上がった。
 長崎空港から対馬空港に到着した対馬市上対馬町の主婦、今村直子さん(43)は、大村市内の特別支援学校に通う長男(12)の送迎などで週に4回利用。「こうしたことが続くと怖くて安心して乗れない。島民にとってORCは生活の足。どうしても安全を確保できない場合は欠航でも仕方ないので、何より安全を優先してほしい」と求めた。
 五島市の福江空港で帰省する息子を待っていた同市大荒町の犬塚松夫さん(85)は「普段から機体の不具合や欠航が多すぎる」と苦言。「経営が楽ではなく新しい機体を買うのが難しいのは分かるが、整備の体制は見直して」と注文した。
 ある空港関係者は「整備士個人の問題ではなく、組織全体の問題。たるみがないか、チェックすべきだ」と指摘。別の関係者は「許されない行為。観光で頑張ろうという時なのに残念」と話した。
 中村法道知事は「信頼を損ねる事態で誠に遺憾。勧告に従い、安全運航に万全を期していただきたい」とするコメントを出した。

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