「長崎の鐘」祖父らと鳴らす 平和活動へ「最初の一歩」

「長崎の鐘」を鳴らす準備をする(左から)堺真紀さん、康徳さん、野口さん=長崎市、平和公園

 長崎原爆の被爆者と被爆2世、3世、4世が9日、長崎市松山町の平和公園にある「長崎の鐘」を一緒に鳴らし世界平和を願った。
 鐘は、県被爆者手帳友の会の被爆者や2世が毎月9日に鳴らしている。原爆さく裂時刻の午前11時2分から1分間、参加者約20人が鐘を動かすロープを引いたり戻したりして鳴らした。
 この日は長年参加している被爆2世の野口伸一さん(71)=長崎市=に加え、娘の堺真紀さん(47)=同市=、その息子の康徳さん(22)が初めて参加した。康徳さんはこの春から広島市で社会人生活を始めたのを機に、平和活動に携わりたいと思い「最初の一歩」として参加したという。
 野口さんの亡き母が被爆者で、亡き父は戦時中に特攻隊員だったが生き延びたという。真紀さんは「私たちまで命がつながっていることに感謝している」、康徳さんは「育ててもらった長崎に恩返しするため今後も平和を発信したい」と話した。野口さんは「一緒に鳴らせてうれしかった」と語った。

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