8月9日 長崎原爆の日 式典リハーサル入念に

平和祈念式典のリハーサルで合唱する城山小の児童=長崎市、平和公園

 長崎は9日、米国による原爆投下から74回目の「原爆の日」を迎える。長崎市は7日、松山町の平和公園で「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」のリハーサルを実施し、参加者が入念に本番の流れを確認した。
 核兵器を巡る国際情勢は厳しさを増している。米国とロシアの中距離核戦力(INF)廃棄条約が2日に失効。イランと北朝鮮の核問題も先行きは不透明だ。核保有国と「核の傘」の下にある日本などは核への依存を続け、2017年に国連で採択された核兵器禁止条約は批准国数の伸びが鈍く、発効していない。核兵器廃絶を願う被爆地の声は十分に届いていないのが現状だ。
 被爆者健康手帳の所持者数は、県全体の7割を占める長崎市で18年度末現在2万7405人と前年度末から1659人減り、平均年齢は82.35歳へ上昇。被爆体験の継承が急がれる。
 式典は9日午前10時40分に始まり、原爆がさく裂した11時2分に黙とうをささげる。来賓として安倍晋三首相やグテレス国連事務総長の代理で軍縮担当上級代表の中満泉事務次長らが参列する。田上富久市長や被爆者代表が核兵器廃絶と恒久平和を訴える。
 7日のリハーサルでは参加者が献花などの手順を確認し、長崎市立城山小児童は追悼歌「子らのみ魂(たま)よ」を合唱した。その後、参列者用の大テントが設営された。市内各地では原爆関連の行事が開かれた。

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