さわやかな酸味、白あんの甘さ 不思議なほどに調和する一品

 ミカンをイメージした黄色い求肥(ぎゅうひ)のてっぺんには、ようかんでつくった葉っぱものっかり、見た目もかわいい。「こんなのあるんだ!大賞」中国・四国ブロック予選で1位になった「みっちゃん大福」は、「自分たちの街を元気にしたい」という愛媛県伊方町の県立三崎高校の女子生徒たちの奮闘の末、2015年に生まれた。中身に使ったミカンのさわやかな酸味と、白あんの甘さが不思議なほどに調和している。

 

みっちゃん大福

 当初、さまざまなミカンを試したが、水分が生地に染み込んでしまう課題に直面した。たどり着いたのが地元産「温州ミカン」などだった。ちょうどいい大きさで、傷つけないようにミカンの皮をむけば、水分でべちゃべちゃにならずにすんだ。また内皮の薄さがあんこや生地との一体感をつくるのにも適していた。水の代わりに地元産かんきつの果汁100%ジュースをもち粉に練り込むなど生地にもこだわった。

  商品を求め、全国から多くの人に来てもらいたいという思いから、販売は町内の道の駅などに限る。今回は特別に47CLUBへの出品を決めた。生徒たちと開発に取り組んだ老舗和菓子店「うにまんじゅうの田村菓子舗」の田村義孝社長(42)は「みっちゃん大福を知ってもらい、伊方町を訪れるきっかけになれば」と話す。

  常温で楽しむのもいいし、夏には凍らせて半解凍の状態にして食べると、まるでシャーベットのよう。季節ごとに違った楽しみ方があるのも魅力だ。

  売り上げの一部は、地域活性化を担う人材育成のための基金に寄付される。みっちゃん大福を発案した生徒たちのように、主体的に考えて行動する子どもたちを育てたい、と田村さんは願っている。

 (47NEWS  松本鉄兵)

商品情報はこちら。 https://www.47club.jp/38M-000098upa/goods/detail/10129565/

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