溶けた瓦や茶わん展示へ 爆心地公園の掘削土砂から 被爆者・竹下さん 採取 28日から、ピースミュージアムで

展示する予定の被爆瓦やボタンなどを紹介する竹下さん=長崎市役所

 長崎市松山町の爆心地公園で1996年にあった工事で見つかった被爆瓦や被爆者の遺品などを展示する企画展が、28日から同市松が枝町のナガサキピースミュージアムで開かれる。当時、掘削された土砂の中から探し当てた被爆者の竹下芙美さん(78)は「平和な暮らしを無残に壊した原爆について、改めて考えてほしい」と話している。
 竹下さんは「平和公園の被爆遺構を保存する会」の共同代表を務め、爆心地公園の親水護岸改修工事の際、ほぼ1人で探した。約1カ月半、手作業で土を掘り、多くの人骨や約千点の被災資料を発見。熱で表面が泡状に溶けた被爆瓦や茶わん、子ども服や学生服のボタンなど、当時の日常をしのばせる物が多い。
 竹下さんは2003年、資料の多くを母校で、爆心地から約1.5キロの市立銭座小に寄贈した。今回はその一部から30品目程度を展示する予定で、市民向けの企画展示は初めて。
 竹下さんは16日、市役所で会見した。被災資料の発見を機に、爆心地公園の被爆地層の一部がガラス越しに見えるように整備されたことは「長崎にしかない財産」と強調。企画展と合わせて見学してほしいとした。
 企画展は2月24日までで月曜休館。開場時間は午前9時半~午後5時半(最終日は午後3時まで)。入館無料。

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