対応追われる学校側 3密対策難しい 学童も 長崎県内4月22日から休校

子どもの課題プリントの印刷に追われる教員=長崎市立山里小

 新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の全国拡大を受け、長崎県内の公立小中高校は22日までに休校に入る。大型連休を含めて5月6日まで約2週間の休みとなるため、教職員らは児童生徒の自宅学習用プリントの準備や保護者への連絡に追われている。
 県は17日、県立高校や特別支援学校などを休校すると発表。県内21市町も休校を決めた。休校は小中学校計491校。東彼東彼杵町は、感染が確認された佐世保市の男性が同町に滞在していたため、急きょ20日から休校にした。同町教委によると、20日は家庭の事情で対応できない児童生徒を受け入れ、各校に5~15人登校したという。同町立彼杵小の教員らは各家庭へ届ける課題のプリント作成に追われた。山口厚校長は「もしかしたら5月6日以降も休校が続くかもしれない」と気をもむ。
 児童約670人が通う長崎市立山里小。算数ドリル10枚を113人分印刷していた地引健人教諭(30)は「千枚刷るのは大変だが、遊びにも行けず家にいなければならない子どもたちはもっと大変」と汗を浮かべた。山崎直人校長は「子どもたちが自分で計画を立てて取り組む練習期間にしてくれれば」と期待する。
 長崎市や佐世保市、大村市などは放課後児童クラブ(学童保育)と連携して、学校でも共働き世帯などの子どもを受け入れる方針。学童保育施設などを運営する社会福祉法人「笑顔会」(佐世保市)の仲尾勝利理事長は「前回の休校時は施設内に子どもたちが密集する状態にはならなかった」と振り返る。一方、ビルの一室で運営するなど「3密」対策が難しい施設もあるという。県学童保育連絡協議会の小山浩会長は「前回と比べて外出自粛ムードが強く、利用者は減るかもしれない。ただ、仕事の都合などで子どもを預けなければならない親はいるので、消毒やマスクを徹底して対応したい」と話した。

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