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 日本風力開発(東京)が宇久島で計画する風力発電所も、国内有数の規模だ。2009年に計画が表面化。当初宇久島と近隣の寺島に計50基を設置し最大出力は100メガワット規模を想定。総事業費は200億円を上回るとしていた。
 県などによると、同社は現在環境影響評価(環境アセスメント)の手続き中。この過程で国は騒音や動植物、景観などへの影響を極力低減するよう求め、風車50基のうち46基の配置を見直すよう勧告。同社は「計画を変更している。風車の削減を検討中」とする。
 海底ケーブル敷設は、地元漁協の同意を得て、今年3月までに県と佐世保市の許認可を受けた。今後、宇久島南部と本土の相浦地区間に敷設する。
 一方、地元には健康被害や景観の悪化などを懸念する声がある。宇久地区協議会が09年、全1414世帯に実施したアンケート(有効回答率79%)では、約85%が「反対」「どちらかといえば反対」と回答。隣島の北松小値賀町には世界文化遺産があり、15年には同町議会が「景観の調査が不十分」として反対する意見書を全会一致で可決した。
 ただ、賛成派のある島民は「時間の経過とともに計画を理解し、賛成に転じた島民は少なくない。当初と状況は違う」。同社は今年1月、県や佐世保市、小値賀町の担当者に現状を改めて報告。「地域、関係者に理解してもらえるよう、これからも丁寧に説明する」としている。

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