核廃絶へ 長崎とハワイの高校生がオンライン交流

ハワイの高校生とオンラインで意見交換する(左から)二階堂さん、坂田さん、山下さん=長崎市大黒町、長崎自治労会館

 来年3月、米ハワイに派遣予定の長崎の高校生平和大使とハワイの高校生によるオンライン学習交流会「ホオポノポノ・プロジェクト」が19日、始まった。互いの活動などを紹介し、核廃絶に向け高校生がどう協力していけるかなどについて意見交換した。
 本来は8月にハワイの高校生を長崎へ招待する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止に。交流を継続させようと、2018年に初代ハワイ派遣高校生平和大使を務めた安野伊万里さん(20)=同志社大3年=が企画した。
 安野さんは長崎市内で進行役を務め長崎、ハワイの高校生各3人が参加。長崎原爆と真珠湾攻撃の歴史や被害状況、互いの平和活動などを伝えた。
 戦争について、ハワイの高校生は「世界から『原爆が正しい』という人がいなくならないと、戦争もなくならない」とし、活水高2年の坂田莉菜子さん(17)は「米国と日本はそれぞれ悲惨な歴史がある。それを忘れてはいけない」と語った。次世代の継承を目的とした平和学習については双方から「教科書だけの学習ではなく、生きている人の話を聞くことが大切」「学んだことを周囲の人に語り継ぐべき」などの意見が出た。
 参加した県立長崎工業高2年の山下璃音さん(17)は「お互いの国のことを話し、イメージを変えることができた」、県立長崎東高2年の二階堂杏さん(16)は「何を伝えようとしてくれているのか、今後もしっかりと学びたい」とそれぞれ話した。
 高校生1万人署名活動実行委の約20人も聴講。活水高3年の2人が通訳として手伝った。26日と8月2日にも開き、平和アピール文をまとめ国連などに送付する。

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