あす8月9日「長崎原爆の日」 平和公園でリハーサル 近づく“被爆者なき時代” 「思い込め歌いたい」

平和祈念式典のリハーサルで「千羽鶴」を合唱する純心女子高の生徒=長崎市、平和公園

 長崎は9日、75回目の「原爆の日」を迎える。平和祈念式典が営まれる長崎市松山町の平和公園では7日、リハーサルがあり、関係者らが本番の流れを入念に確認した。

 原爆投下から75年。被爆者数(被爆者健康手帳の所持者数)は、県全体の7割を占める同市で2万5726人とピーク時から7割減り、平均年齢は83歳と高齢化が進む(数字はいずれも3月末現在)。“被爆者なき時代”が近づいている。
 新型コロナウイルス感染防止のため、9日は式典会場の座席数を約500席と昨年から大幅に減らし、午前10時45分に開式。同11時2分に黙とうする。平和宣言文などで田上富久市長や被爆者代表が核兵器廃絶と恒久平和を訴える。安倍晋三首相らが来賓あいさつをする。
 屋内会場として、長崎ブリックホール(茂里町)と長崎原爆資料館(平野町)を午前9時半に開場する。
 7日のリハーサルには約90人が参加し、献水や献花などの流れを確認した。純心女子高の生徒約20人は式典の最後に披露する「千羽鶴」の合唱で澄んだ声を響かせた。冒頭のアカペラソロを担う3年の田鶴原綺さんは「緊張するが、平和がずっと続くように思いを込めて歌いたい」と語った。

被爆75周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典

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