「黒い雨」訴訟控訴 長崎県被爆体験者ら抗議声明「許すことできない暴挙」

 「黒い雨」訴訟で国が援護対象とした区域の外にいた原告全員を被爆者と認めた広島地裁判決に国と広島県、広島市が控訴したのを受け、長崎県の「被爆体験者」訴訟の原告や支援者は14日、「許すことのできない暴挙だ」と抗議し、迅速な救済を求める声明を発表した。厚生労働省と広島県・市に声明文を郵送した。
 声明は、第二次全国被爆体験者協議会(岩永千代子代表)、多・長被爆体験者協議会(山内武会長)、被爆体験者訴訟を支援する会(川野浩一代表)の連名。
 声明では、広島地裁判決について「『黒い雨』地域と同様に、理不尽な被爆地域の線引きに苦しめられた被爆体験者の救済に生かせると喜んでいた」と評価し、控訴を批判。放射性物質を含む「黒い雨」を浴びた人や、国が指定した被爆地域の外で長崎原爆に遭った被爆体験者の救済のため早急に対策を検討するよう求めた。

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