2009年・近畿 剣道女子島原が初の日本一 各競技で躍進相次ぐ 【連載】夏跡 県勢のインハイ20年・10

剣道女子団体で初優勝を飾った島原。金メダルを胸に笑顔を見せる選手たち=大阪市、舞洲アリーナ

 団体で剣道女子の島原が初、アーチェリー男子の大村工が5年ぶり2度目の日本一に輝いた。重量挙げの諫早農も36年ぶりとなる団体(学校対抗)優勝を果たすなど「県勢初」や「県勢数十年ぶり」の躍進が相次いだ。
 剣道女子の島原はこの年、3月の魁星旗、7月の玉竜旗と全国規模の大会を制して高校最大のタイトルに挑んだ。個人も準優勝した副将小森田渚、大将平石ゆいこの二枚看板を軸に勝ち上がり、PL学園(大阪)との決勝は4-1で快勝。地道な練習で培ってきた強さは揺るがなかった。
 重量挙げの諫早農は個人優勝ゼロながら、69キロ級トータル、ジャークで2位入賞した平本衛治ら、計5人がポイントを稼いだ。チーム全体の雰囲気の良さが1点差での優勝旗獲得につながった。
 レスリング74キロ級の村上貴之(島原)、フェンシング女子エペの堀川こず恵(諫早商)は各競技の個人で、それぞれ県勢36、40年ぶりの日本一。チームの主将でもあった村上は、団体で8強入りを逃した仲間の思いを背負って勝ち抜いた。
 ヨット女子の長崎工はソロで山口祥世・谷口柚香組が金、デュエットも銀メダルを獲得。バレーボール女子の九州文化学園も準優勝と健闘した。ともに全国上位を守り続けるチームが、この夏も価値ある成果を残した。
 ソフトボール女子の九州文化学園、柔道女子団体の長崎明誠は各種目で県勢初、空手の佐世保北はチーム初の銅メダル。3位入賞したフェンシング女子団体の諫早商は、1972年の準V以来、37年ぶりの団体メダルをつかんだ。

レスリング個人74キロ級で優勝を決めた瞬間、感極まった表情でガッツポーズする村上(島原)=奈良市中央体育館

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