IT企業 NCD「五島オフィス」 若者に新たな選択肢 離島で「地域貢献つながれば」

NCD五島オフィスで業務に打ち込む社員=五島市東浜町1丁目

 首都圏企業のITインフラ運用や保守などを請け負う日本コンピュータ・ダイナミクス(NCD、東京)が、五島市に今春開設した「五島オフィス」で、市内の高校新卒者ら5人が業務に励んでいる。3年間で、地元から10人程度を採用する計画。IT系の職場が少ない同市で、地元就職を希望する若者にとって新たな選択肢になっている。
 同社は1967年創業で新興市場ジャスダック上場企業。ITシステムの開発、運用や保守のアウトソーシング(外部委託)事業などを手掛けている。2011年に長崎営業所(長崎市)、20年に五島オフィスを設置した。
 五島オフィスにはリーダー1人の他、県立五島海陽高卒の3人と県立五島南高卒の1人が勤めている。3カ月間のオンライン研修を経て、現在は東京本社内のITシステムや購買の管理業務などを担当。将来的には他社からのアウトソーシングなども受ける考えで、来年度も地元の高卒者2人を採用予定という。
 今春採用された五島海陽高出身の夏井征人さん(19)は中学生時代からIT企業への就職を志望。地元就職も希望していた中でNCD五島オフィスの求人を知り、応募した。夏井さんは「少しずつ一人で担当する業務も増え、楽しいと感じている。来年入ってくる後輩にもしっかり教えられるようになりたい」と意気込む。
 長崎営業所の藤井辰巳所長は「島外に出なくても若者が働ける職場として、地域貢献につながれば。いずれは五島オフィスとして新たな事業領域に挑戦し、本社社員のテレワーク先にもなる事業所にしていきたい」と話す。

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