メクル第488号 お尻に爪のような甲羅 日本一広いテーマパークにケヅメリクガメ

大好きなバナナを口いっぱいにほおばるアスカ(左)とダイナ=佐世保市、ハウステンボス

 日本一広いテーマパークに、2019年6月から2匹(ひき)のケヅメリクガメが暮(く)らしている。夫の名はダイナ、妻(つま)はアスカ。特撮(とくさつ)ヒーローのウルトラマンダイナにちなんで名付けられた。陸にすむ種類のカメでは3番目というその大きさもあり、子どもたちの間での人気も高い。
 ケヅメとは本来、鳥の足に後ろ向きに生えている鋭(するど)い爪(つめ)のことだが、こちらはケヅメのような甲羅(こうら)がお尻(しり)の辺りにあるのが特徴(とくちょう)。
 もともとはアフリカの乾燥(かんそう)地帯に生息する種類で、水分は食べた植物から摂取(せっしゅ)するだけ、というから驚(おどろ)きだ。ちょうど日に一度のお食事タイムが来た。
 「ごはんだよ~」。呼(よ)ばれた2匹は、スタッフの大坪杏奈(おおつぼあんな)さん(24)が持つバナナ目がけて一直線。口からあふれても、次から次へとバナナにかぶりつく。キャベツやニンジン、クズの葉、コマツナなどのえさの中でも、バナナには別格(べっかく)の食い付きを見せるとか。
 体長は約65センチ、体重23キロのダイナに対し、アスカは約56センチ、22キロ。一般(いっぱん)的な体重は30~40キロらしいから、成長期と考えれば旺盛(おうせい)な食欲(しょくよく)もうなずける。
 「カメは万年」とは言うけれど、ケヅメリクガメの寿命(じゅみょう)は野生でも飼育(しいく)下でも数十年といわれる。では一体、2匹は何歳(さい)なのだろう。実は、若いカメならある方法で大体の年齢(ねんれい)が分かるんだ。その答えは甲羅の模様(もよう)にあり。六角形の部分に表れている線の数を数えてみてね。 

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