2011年・北東北 アーチェリー男子団体 大村工史上初のV3 将来の五輪選手も活躍 【連載】夏跡 県勢のインハイ20年・12

アーチェリー男子団体決勝、集中して的を狙う大村工のメンバー=青森県八戸市東運動公園陸上競技場

 「東日本大震災」が東北、関東地方を中心に甚大な被害をもたらした2011年。くしくもこの夏のインターハイは、青森、岩手、秋田、宮城の北東北4県で開かれた。各会場の観客席には「頑張ろう東北、頑張ろう日本」「温かい支援に感謝」など、復興に関するメッセージ入りの横断幕が掲げられていた。
 この例年とは違う大会で気を吐いたのが、大村工勢。アーチェリー男子団体は史上初の3連覇を達成した。主将の楠本剛史を中心に、追い掛ける展開になっても慌てず、逆転勝ちで頂点に立った。ソフトボール男子は初めて夏の王者に輝いた。エース中坂誠は5試合計35回を1人で投げ抜き、失点はわずかに1。計476球の熱投で日本一の原動力になった。
 団体はこのほか、セーリング女子の長崎工が3年ぶり2度目の優勝。新体操女子の長崎女は県勢8年ぶりの3位入賞を果たした。弓道男子の諫早とレスリングの島原も3位に入り、それぞれ県勢48年ぶり、36年ぶりのメダルをつかんだ。
 個人はのちにオリンピアンとなる2人が躍動した。柔道男子81キロ級の永瀬貴規(長崎日大)は初優勝。けがで不本意な結果に終わった前年の雪辱を果たした。アーチェリー女子の永峰沙織(佐世保商)も、県勢初となる金メダルを獲得した。
 このほか、ボートシングルスカル男女の遠山峰照(佐世保高専)と中村美優(長崎明誠)、競泳男子200メートル背泳ぎの山岸祐介(長崎南山)、セーリング女子の松浦朋美・平野若菜組(長崎工)が2位入賞した。

柔道男子個人81キロ級決勝、大外刈りで攻める永瀬(長崎日大、右)=秋田市、秋田県立武道館

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