国際署名50万筆達成を報告 県民の会「核禁条約に廃絶託す」

「被爆者の願いを実現させるために、皆さんと一緒に頑張っていきたい」と話す田中共同代表(右)=長崎市、爆心地公園

 全ての国・地域に核兵器禁止条約の批准などを求める「ヒバクシャ国際署名」に取り組んできた県民の会は26日、長崎市松山町の爆心地公園で集会を開き、県内で目標に掲げてきた50万筆を達成したことなどを報告した。核兵器の保有や使用などを全面的に禁止する核禁条約の発効に必要な批准国・地域まで残り5(25日現在)に迫る中、参加した被爆者からは「核禁条約に核兵器廃絶を託したい」と期待する声が上がった。
 同会は2016年9月の結成以来、署名活動に取り組んできた。全国で集まった署名は日本原水爆被害者団体協議会(被団協)が集約し、国連に提出する。
 集会で同会の田中重光共同代表(79)は「核禁条約の流れを(世界だけではなく)日本でも大きくしなければならない。被爆者の願いを実現させるために、皆さんと一緒に頑張っていきたい」と決意新た。米国の“核の傘”にある日本政府は核禁条約に背を向けており、県平和運動センター被爆連の川野浩一議長(80)は「核を持つ国と持たない国の橋渡しは一体、何をしたのか」と被爆国の姿勢を批判した。
 集会は国連の「核兵器廃絶国際デー」に合わせて開き、約100人が参加。午前11時2分に黙とうした。

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