新幹線長崎ルート 「年末までに方向性」 与党PT 佐賀県案尊重、配慮も

 九州新幹線長崎ルート未着工区間の新鳥栖-武雄温泉(佐賀県)の整備方式について、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の細田博之座長は5日、年末の予算編成までに方向性を出したい考えを示した。「佐賀県側で最善策を考えてほしい。政府・与党は案を尊重し、できるだけの配慮したい」とも述べた。
 自民党佐賀県連(留守茂幸会長)が東京都内で長崎ルートの要望をした際、あいさつで述べた。
 細田座長は、フリーゲージトレイン(軌間可変電車)の開発失敗に端を発し、整備方式が定まらない事態に陥っている現状に「大変深刻な状況」と憂慮を示す一方、「必ず案を作って代用しないと、これで終わりでは新幹線の構想自体が壊れる。12月末の予算決定までに何とか佐賀県の問題と北海道、北陸(新幹線)をきちんと整理していきたい」とした。
 終了後、記者団には「(佐賀)県の負担はできるだけ少なくし、県民にとって便利な交通体系にするという難しい方程式を解かないといけない。ただ新幹線を通さないという結論はない」と語った。
 佐賀県連はPT下部組織の与党検討委員会の山本幸三委員長とも面会。山本委員長は終了後、記者団に検討委を開く考えを示した。
 要望は、フル規格整備を想定した場合についての記述が目立つ内容となっており「新たな財政負担や並行在来線、地域振興策などの諸課題について本格的な議論が必要になる」と指摘。国の積極的で重点的な支援や、方針提示を求めた。
 留守会長は要望について「フル規格を想定した場合の議論しか選択肢はないということで今日は来た。漠然と『何とかしてください』では相手に通じない」と話した。

 


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