新幹線長崎ルート フルめどで在来線議論 「地域の足欠かせず」 JR九州専務

 JR九州の古宮洋二専務は2日の佐賀県議会新幹線問題対策等特別委員会で、九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の整備方式を巡る佐賀県と国土交通省の協議に言及し、「フル規格という選択肢に一定めどがつきそうな段階になれば、どの区間が並行在来線に該当するのかなど、その在り方について佐賀県や沿線自治体と議論を始めたい」と述べた。
 古宮氏は同委員会に参考人招致され答弁した。
 フル規格で新幹線を整備する場合、JRからの並行在来線の経営分離という問題が浮上し、沿線自治体の同意が必要になる。第三セクターの経営になれば不便になるとして沿線住民が反発するケースもある。
 古宮氏は新鳥栖-武雄温泉の並行在来線について「通勤通学など地域の足として欠かせない役割を担っており、鉄路として維持すべきだ」と重要性を強調。「必ずしも経営分離を前提としない」との従来の見解を示した。
 これに対し委員からは「フル規格を推進するのであれば、並行在来線を経営分離するのかしないのか、先に説明してほしい」との指摘が出た。
 またフル規格のルートについて古宮氏は、人口が多い佐賀市の中心部を通る上、在来線やバスセンターとの結節で広域からのアクセス性に優れているとして「佐賀駅を通るルートしかない」と明言した。

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