感染拡大 長崎県が注意報 長崎・繁華街従業員 無料でPCR検査

県内の感染状況について説明する中村知事=県庁

 長崎市中心部の接待を伴う飲食店などで新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生するなど県内で感染が拡大している事態を受け、中村法道知事は14日に記者会見し、感染段階のステージを散発発生の「1」から漸増の「2」に引き上げ、県内全域に注意報を発令した。
 その上で同市中心部の繁華街の感染拡大を防止するため、バー、スナック、居酒屋など接待を伴ったりアルコール類を提供したりする繁華街の飲食店の従業員を対象に、無料のPCR検査を実施すると明らかにした。対象は700店舗超に上るという。知事は「心配な人は積極的に検査を利用してほしい」と呼び掛けた。
 県によると、13日までの1週間で新規感染者52人を確認。クラスターは同市中心部の接待を伴う飲食店で2件、佐世保市の障害福祉サービス事業所で1件発生した。感染拡大状況や専門家の意見を踏まえてステージを「2」に引き上げ、接待を伴う飲食店利用の際は感染防止対策を確認するなど十分注意するよう求めた。
 無料のPCR検査は16~19日、店舗ごとに予約を受け付ける。だ液の採取容器を従業員の数だけ持ち帰ってもらい20日までに検体を提出する。詳細な予約方法は15日午前中までに県のホームページに掲載する。
 14日午後1時現在、県内の入院患者は18人。中等症または軽症で、重症者はいない。宿泊施設の療養者などは40人。県は9月、感染の新規報告者数や確保病床占有率などに応じて感染段階をステージ1~5(県内全域での急増、緊急事態宣言)に分類する目安を公表していた。


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