お手柄!警察犬フリッカ 行方不明の高齢者を発見

感謝状を受け取る谷口さん(右)と警察犬のフリッカ=川棚署

 長崎県の川棚署は23日、東彼東彼杵町で行方不明になった高齢者の捜索と発見に貢献したとして、波佐見町岳辺田郷の県警嘱託警察犬指導手、谷口豊さん(74)と警察犬「フリッカフォム ハナサキソウ号」に感謝状を贈った。
 同署によると、今月14日深夜、80代男性が東彼杵町里郷の自宅からいなくなっているのに家族が気付き、15日未明に捜索願が出された。県警本部を通じて要請を受けた谷口さんがフリッカを連れて出動。枕カバーで男性のにおいを覚えさせると、700メートルほど歩き、JR大村線の踏切にたどり着いた。署員が付近を捜索し、線路脇の草むらに倒れている男性を発見。男性は病院に搬送され、大事には至らなかった。出動から発見に至るまで15分程度だったという。
 フリッカはジャーマンシェパードの雌で11歳。5年ほど前、県警の警察犬審査会で指導手仲間が連れてきたのを見て、谷口さんが「この子は伸びる」と直感したという。1年近くかけて飼い主を口説き落とし、譲り受けた。訓練すると期待通りに実力を伸ばし、多くの行方不明者捜索に貢献している。
 事案が発生した15日は県内各地で初雪が観測されるなど特に冷え込んだ。山下勝宏署長は「早期の発見が命を救った」とたたえた。谷口さんは「よかったな」と相棒に感謝状を見せて、ねぎらっていた。 

 


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