逸品!手作りコンニャク 琴海・市民農園体験ルポ

ゆで上がったコンニャク=長崎市、琴海赤水ふれあい農園

 長崎市琴海戸根原町の市民農園「琴海赤水ふれあい農園」で野菜の栽培などに取り組む市民ら十数人が、畑で取れたコンニャク芋を使ってコンニャク作りを楽しんだ。時間をかけ、一から手作りする喜びを一緒に体験させてもらった。

 農園の管理人、脇川治年さん(78)によると、同農園は標高約480メートルにあり、約30組が大村湾や山々の景色を眺めながら作物を育てている。コンニャク作りは、農園にある管理棟の大掃除を済ませた後のお楽しみとして7、8年前から有志が続ける恒例行事。今年は12月13日に実施した。
 原料は掘ってから40日ほど乾燥させた4年もののコンニャク芋。直径約20センチ、重さ約2キロと大きいため切り分け厚めに皮をむいた。サトイモのようなぬめりはなく、スライスしやすい。
 それを蒸してミキサーでペースト状にし、熱いうちに手早く混ぜるのがうまくできる秘訣(ひけつ)だそう。慣れた人も初めての人も熱さを覚悟して素手でこねた。さらに、凝固剤の消石灰(食品添加物)を加えると弾力が出てくる。型に流し、固まったら釜でゆでる。
 コンニャク作りの経験豊富な脇川さんは作業を見守り、「ステンレス製の道具を使うと、なぜかコンニャクが固まらない」と作る際の注意点を話してくれた。話を聞くうち、釜のコンニャクがゆで上がった。
 皮むきから数時間でついに完成し、酢みそを付けて全員で試食した。少し目が粗く、弾力と歯応えのある逸品だった。

原料のコンニャク芋

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