密を避け初売り 特設会場で福袋、列は間隔空けて…

 新型コロナウイルス禍の中、新年恒例の初売りは様変わりした。長崎県内の大型商業施設は、密集を避けるため福袋の数を減らし、特設会場で販売するなど感染予防策を徹底して客を迎えた。例年より客は少なく、にぎわいは控えめだった。

コロナ対策として、食料品の福袋を特設会場に集めた初売り=長崎市、浜屋百貨店

 浜屋百貨店(長崎市浜町)の初売りは2日スタート。洋服や食品など福袋は昨年の6割ほどの計約5千個に減らした。そのうち約千個は事前に予約や販売を済ませた。午前10時の開店前、店頭に並んだのは約800人と昨年の4分の1ほど。例年、地下食品売り場の福袋を求めて客が殺到するため、今年は8階催事場に特設会場をつくり、整理券を配って入場を制限した。
 同8時から母、姉と並んだ同市平間町の会社員、藤下雅美さん(27)は「ごった返す中で買い物をしないから初売りの雰囲気はないけれど、感染対策がされていて安心」と話した。同店によると、人出は例年の65%程度。担当者は「初売りの中止も考えたが、お客さまの期待もあり実施した。(販売方法を変え)ご不便をかけても、予防のためには仕方がない」。

福袋を買い求める客でにぎわう店内=佐世保玉屋

 1日に初売りがあった佐世保玉屋(佐世保市栄町)では開店前、昨年比7割減となる約300人が列をつくった。従業員は間隔を空けるよう呼び掛けた。
 午前10時半に開店すると、客はお目当ての売り場に向かい、福袋やセール品を購入。同市石坂町の自営業、新ケ江俊晃さん(63)は「初売りは毎年福岡に行っていたが、今年はコロナ禍で行けず、久しぶりに玉屋に来た。お菓子やパンの福袋を買って満足」と話した。


© 株式会社長崎新聞社