IWGPヘビー級&インターコンチネンタル2冠王座から転落した内藤哲也(38)は、試合後のリング上で自らの手で飯伏幸太(38)にベルトを手渡し勝者をたたえた。
リスクを承知であえて2日連続のタイトルマッチを熱望し、初日の相手にG1覇者の飯伏を指名した。結果的にそれが裏目に出た形で、誰よりもこだわってきた2本のベルトを失ったが「そりゃ2日連続で東京ドームのメインイベントに立ちたかったよ。立って、2日とも花道を反対方向から歩きたかった。でも後悔はないから」と潔く敗北を認めた。
昨年のドーム大会では史上初の2冠王者に輝くも、KENTAの襲撃を受けファンとの「LIJ大合唱」がかなわなかった。さらにコロナ禍もあり、2冠王者として思うような活躍もできす。「それにしてもうまくいかないな。本当うまくいかないプロレスラー人生だよ。でもさ、こんなのも俺らしいでしょ」と自虐的な笑みすら浮かべた。
昨年の東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」MVPにとっては、悪夢のような2021年のスタート。それでも「さあ、明日からいったいどこに向かおうかな。何を目指そうかな。ちょっと今、分かんないけどさ。でも、はっきり言えることが一つだけあるよ。俺はまたこの東京ドームのメインイベントに、また〝必ず〟帰ってくるから。その時をトランキーロ、焦らずにお待ちください」。
あえて自身が嫌う「必ず」という単語を用いたところに、逆襲にかける並々ならぬ決意が秘められている。